僕の瞳に映るあなた 3 あれから…涼と僕は、お互いを避けながら、生活している。 毎朝、僕を起こしに涼が部屋へ来る事も無い。 「まった、遅刻かよ竜……姉ちゃんはチャンと来てるのにサァ。」 片桐の奴にまで、言われる始末。 「うるせえ……」 片桐に迄、言われる様じゃ世も末だ。 同じクラスに居るのに、涼の方を見ない僕に、片桐も何か有るのを感じてる様だ…… しきりに、涼の事を話題にするから、好きなのかと思ったが違うらしい。 「喧嘩したんだよ。 悪いか! 」 きつく睨み付けた僕に、片桐はもう何も、言わなかった。 ****** 学校からの帰り道。校門の所で告白されて付き合う事になった、木村小夜が待って居た。 「美月君。一緒に帰ろ〜」 別に、好きでもないのに告白されてOKした。 別に、誰でも良かった。 違うクラスの同級生…たまたま、タイミングが良かっただけ…何故なら、涼に分からせる為だけに… 涼が好きな人が居ると言ったのは、嘘だ…… 何故か分からないけど、僕にはそう感じた。 だから、他の女と付き合う事にしたんだ。最低な…人間だ…… 「ねーりゅうって呼んでもイイ?」 小首を傾げて、話し掛ける小夜。充分、可愛いい子なのに好きになれたら、どんなに良いか…… 「良いよ。おれも小夜って云うから。」 僕の言葉に顔を赤くする小夜。罪悪感にさいなまれる僕…… 二人で、並んで帰ってる時。先に歩いてる涼が居た。家に着いた時、涼がこっちに顔を向けそのまま、 立ち止まった…… 涼の唇の形で、何を言っているのか分かった。 「竜…なんで?…」 [前頁][次頁] [戻る] |