誰かに聞いた怖い話
・・・ミーコ9
.
『お義父さん…』

『おじさん、この度は…』



『まだ籍も入れて無かったのに、お義父さん…と、呼んでくれるのかね…有難う』

俺と彼奴に不意に声を掛けて来たのは、ミーコの父親だったんだ

『君は…確か…私の娘とは同級生だったね、今日は娘の為に有難う』



『いえ、ミーコは…娘さんは結婚が決まって、あんなに喜んでいたのに…本当に残念です…』

俺は、ミーコを亡くして気落ちしたおじさんに、そう云うのが精一杯だった



『これも…あの娘の運命です…私達家族の逃れられない運命なんですよ、きっと…』



『?』

『…』



『娘の見る眼は正しかった…私は君を選んだ娘を誇りに思います…けれども…』

『…けれども、そんな娘の愛した君だからこそ、私は君に話して置かなければいけない事があるんだ…』

『今晩、私の家に泊まってはくれないだろうか?』

ミーコの父親は、彼奴にそう言いながら、僕の方をチラッと見たのだった

そして彼は、こう付け加えたのだ

『良かったら君も一緒に…私の知らない娘の話を、二人に聞かせて欲しいんだ』



『えぇ…そうします』

俺は無言で頷く彼奴の顔を見ながら、そう答えたんだ…

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あきゅろす。
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