誰かに聞いた怖い話
・・・廃墟にて6
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大分離れた場所からは綺麗に見えていた此のビルも、間近で見ると酷い有様になっていました

此のホテルが営業を続けていた時分には、多分此の近在でも評判のホテルであっただろうと言う事は、見上げるのに首が痛くなりそうなそのそびえ立つ外観や、陽当たりの良さそうな大きな窓等からも窺い知る事が出来たのですが…

けれども今は、そのガラス張りの大きな窓の所々が、何かで割られてぽっかりと口を開けていたのでした

それはきっと、此の辺りの暴走族の仕業か、怖い物見たさに此所を訪れた、私達みたいな無謀な冒険者の仕業なのでしょうか?



そして私達は打ち合わせ通りに四人一組となり、既に割られて見る影も無い入り口のガラス戸の残骸を潜り抜け、ゴミやガラスの破片が散らばるロビーを通り過ぎ、長い廊下の端に在る階段を上り始めたのです



そして私達のグループは二階を探索する為に予定通り廊下に出て、友人達のもう一組は三階を探索する為にそのまま階段を上がって行きました

私達は偶数奇数で担当を分けたのです





二階に居た私達三人が彼の元に駆け寄った時、彼の手にしたドアは他の部屋と同様に閉め切られたままでした



『開いたのか?』

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