誰かに聞いた怖い話
・・・歌詞の秘密5
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『やっぱりそれは…例の昔の事件に繋がっているんだろうなぁ…その時の犠牲者か親の悲しみが、何かの形でそこに残っていたのかな?』

旅行好きの彼の話に頷きながら聞き入っていた病院長の息子は、何か思う所があるのか感慨深げにそう呟きました



『それでその母親は、やっぱり…罪に?』

私は尋ねたのです



『うん、でも執行猶予のついた軽いものだったそうだけど…』



『そうか…その子が傷付いて無ければ良いけどな…』

サーファーの彼は、溜め息と共にそう呟きました



『それにしても…子供を神社の裏山に捨てて来るしか、残る家族が生きる術が無かったなんて…おまけに、少し歳が大きくなると家に戻って来てしまうから、自分自身で直接手を下していたなんて…』

私はその選択を迫られた親の気持ちと、何も知らずにはしゃいでついて来た子供の事を思うと、何か言い様の無い憤りすら感じていたのです





行きはよいよい、帰りはこわい…



確かに地方には現在でも、こわいと言う言葉を疲れたと言う意味で使う所があるそうです


そして疲れたと言う意味の他に、殺したと言う別の意味すら…





『僕の話は、これで終わりだよ』

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あきゅろす。
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