誰かに聞いた怖い話
・・・歌詞の秘密4
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『まぁ…それに関係しているのか僕には分からないけど…こんな事もあったそうだよ』

『それは陽射しの強い夏の午後の事だったそうだけど、その日彼女は常日頃から可愛がっている愛娘を連れて、その神社の境内へと散歩に出たそうなんだよ…勿論それは、彼女達にとっては日常茶飯事の事で…うん?』

『あぁ、彼女達って言うのは、その神社の近所に建つマンションの住人の事なんだけど…その彼女達は夏の暑い盛りは近くに在る公園には出掛けずに、周りを大きな樹が取り囲み公園や外界等より幾分涼やかな風が吹く此の境内に集い、日々の生活や旦那に対する愚痴や噂話をする事が、育児に追われる生活を一時でも忘れる為の日課の様になっていたんだよ』



『けれどもあの日、あの事件が起こってしまったんだ…いつも目に入れても痛くない程愛娘を可愛がっていたあの母親が、どうしたものか…自分の子供の首に手を掛けてしまったんだ』

『勿論その場に居合せた母親達によって、彼女は直ぐに子供と引き離されて事なきを得たんだが…母親は自分がその時何をしたのかも…全然覚えてはいなかったそうなんだよ』



『彼女を子供から引き離す時、彼女の顔はさながら夜叉の様だったそうだよ』

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あきゅろす。
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