誰かに聞いた怖い話
・・・保健室13
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その子は養護教諭が保健室を後にして暫くの間は、ポタポタと脂汗を滴らせながらも痛みを堪え、奥のベットの上で丸くなっていたのですが、不意に襲った鋭い痛みにとうとう堪え切れずに、ベットを降りて教職員室に向おうとしたのです

けれども、動いた事がいけなかったのでしょうか?

更に強い…まるで内蔵を焼き火箸で貫かれた様な、鋭い痛みを感じて…その子はベットの脇に頽れたのです

彼は薄れゆく意識の中で、冷たい床が気持ち良いと思ったかも知れません

これらは全て、後から推察された事でした

その時その子がどう感じたのかは、もう誰にも分からないのですから…





仕事から帰ったその子の親から、家に帰っても子供が学校から戻って居ないと学校に連絡が入ったのは、養護教諭が保健室を後にしてから数時間は経っていたでしょう

その電話を受けた宿直の先生が嫌な予感を感じて、養護教諭の元へと連絡を入れたのです



その子が意識を失った状態で発見されたのは、奥のベットの更に奥…

ベットと壁との、狭い空間に横たわる姿でだったのです

直ぐさま呼ばれた救急車で病院へと搬送されたその子でしたが、盲腸が破れ既に腹膜にも酷い炎症を生じていて…

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