誰かに聞いた怖い話
・・・保健室14
.
本当に残念な事ですが、その子が教室に戻る事は無かったのでした



それからなのです…

此の学校で…此の学校の保健室で、不思議な事が起き始めたのは…



その異変に最初に気付いたのは、男の子の死に責任とショックを感じ、一度は辞職を決意した当時の養護教諭だったのです

彼女にはその当時の先生に対する世間の意識通りに、何ら処分が科される事はありませんでした

現在でしたら訴訟に発展する事柄でも、その当時には不問にされる事が多かったのです

だからと言って、彼女の後悔が収まる事はありませんでしたが…



それから数日後には、彼女の姿は保健室に戻っていました

見知った児童の倒れていたその部屋で、彼女は机に向かって祈るしか無かったのです

児童の来ない保健室に、ただ一人で…



彼女は本当は気付いていたのです



その部屋に漂う霊気に…



保健室にあの子が…その気配は最初は微かなものでした

彼女の先入観が、そう感じさせていたのでしょうか…



いいえ、それは違いました

他の教職員の方と一緒に教職員室で昼食を取り、保健室へと戻った彼女の目の前には、カーテンを引かれ中の見えないベットがありました

[前頁へ][次頁へ]

56/99ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!