誰かに聞いた怖い話
・・・現れたモノ達4
.
その時…又、あの嫌な気配が感じられたのです



『やっぱり何か変…何かに見詰められてる気がする……何かが…いる…』

『私も皆と一緒に行けば良かった…』

私は部屋の入口付近に座り込み、ひしひしと伝わって来る圧迫感を、一人っきりで一生懸命耐えながら、新入生と先輩方の話が終わるのを待っていたのです…

私は余計なモノを見なくても済むように、抱え込んだ両膝に頭をくっつけて目をつむり、昨日観た面白いテレビ番組の事を考えようとしていたのですが、なまじ視力が働かない分聴力が鋭敏になり、小さな物音にも身体がびくっと反応してしまっていたのです…



キィー…



『!』

その時でした…どこからか扉の軋む様な音が聞こえて来たのです

その時…私の心臓は早鐘を鳴らす様に、ドキドキと自分の耳で聞こえる程に脈打っていたと思います…



キィーッ…



『ひっ!』

その私の耳に、さっきよりも大きな音が聞こえて来ました…

私は意を決して、恐る恐る瞼を開けて、その音のした方を見ようとしたのです…部屋の奥にあるクローゼットの方を…





そこには…開け放たれたクローゼットの扉があり…私は再び目をつむっていたのでした

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