誰かに聞いた怖い話
・・・現れたモノ達3
.
『ねぇ、まだ待ってるの?』



『えっ……うん、もう少し待ってみるわ、あの娘がどうなったのか心配だから…ごめん先に行ってて…』



『うん、それは良いけど…随分新入生に優しいのね…』

『あぁ〜っ!もしかして、部長の座を狙ってるの〜』



『へっへ〜、そうよ、あったりまえじゃな〜い……なんてね、嘘々』

そう友人と冗談を言って笑い合いながらも、私は又どこからか見られている感覚を覚えていました



『じゃあ、先にお風呂行っちゃうよ』



『うん…そうして』



『それじゃあ、みんな〜、お風呂に行くわよ〜』

『じゃあ、行って来るわね』



『うん』

そうして友人は他の部員達を連れて、本館のお風呂に入りに行ったのです…



『フゥ…』

私は皆を送り出した後で、先程の事を思い出していました



何故彼女は…あんなに慌てていたんだろう…



何故彼女は…帰りたいなんて言い出したんだろう…



何故彼女は……



私は急に泣き出した彼女を先輩方に預けると、自分達の部屋に戻りました

どうやら私達の夕食時に遅れて宿に着いた顧問の先生の部屋で、先輩方も一緒にその娘から話を聞いている筈でした…

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