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**κ**
―カチャン…
鳴り止んでくれないこの鼓動は、アイツのせい。
まさか見られてたなんて思いもしなかった。
山Pのことは好き。
だけどそれはLIKEであって、LOVEじゃない。
だから、キスしたんじゃない。
されたんだ。
別れた後だったから精神的に辛かった。
それを山Pに気付かれてしまった。
そしたら腕引っ張られて、キスされた。
□■□■
「…亀大丈夫?」
「ん?なんで(笑)」
「最近、辛そうな顔してるから」
「っ…そんなことないよ(笑)まぁ朝辛くて大変だけどっ」
「っ…‥本当は仁のせいだろ?」
「ぇ、んっ…!」
パシン!
「っ…ごめ」
「いゃ…俺が悪い…泣かないで」
「えっ…ちがぅ、っ…ゃ‥っぴのせぃじゃ、っ!」
ぎゅっ
「好き…」
「ぇ?」
「亀が好きだ。亀が仁と付き合いだした時からずっと…ずっとずぅっと好きだった…」
「…山Pの気持ちには……応えられなぃ‥ごめんなさぃ‥…」
「解ってたから…伝えたかっただけだから…」
□■□■
そう言われた。
そのあとの撮影はちょっとぎこちなかったけど、次の日は山Pはいつもと変わらなくて、少しホッとした。
仁のこと、
多分今でも好き。
自信がないのは、頭が仁に対して拒否反応起こしてるから。
鼓動はドクドク脈打つのに、
「嫌だ」と言って近づこうとしない。
あ〜、胃が痛くなってきた。
これも最近しょっちゅうだよ。
早く仁消えてよ。
俺の頭の中から。
前を見て歩けない。
後ろばかりを振り返ってしまっているから。
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