page5 **κ** ―カチャン… 鳴り止んでくれないこの鼓動は、アイツのせい。 まさか見られてたなんて思いもしなかった。 山Pのことは好き。 だけどそれはLIKEであって、LOVEじゃない。 だから、キスしたんじゃない。 されたんだ。 別れた後だったから精神的に辛かった。 それを山Pに気付かれてしまった。 そしたら腕引っ張られて、キスされた。 □■□■ 「…亀大丈夫?」 「ん?なんで(笑)」 「最近、辛そうな顔してるから」 「っ…そんなことないよ(笑)まぁ朝辛くて大変だけどっ」 「っ…‥本当は仁のせいだろ?」 「ぇ、んっ…!」 パシン! 「っ…ごめ」 「いゃ…俺が悪い…泣かないで」 「えっ…ちがぅ、っ…ゃ‥っぴのせぃじゃ、っ!」 ぎゅっ 「好き…」 「ぇ?」 「亀が好きだ。亀が仁と付き合いだした時からずっと…ずっとずぅっと好きだった…」 「…山Pの気持ちには……応えられなぃ‥ごめんなさぃ‥…」 「解ってたから…伝えたかっただけだから…」 □■□■ そう言われた。 そのあとの撮影はちょっとぎこちなかったけど、次の日は山Pはいつもと変わらなくて、少しホッとした。 仁のこと、 多分今でも好き。 自信がないのは、頭が仁に対して拒否反応起こしてるから。 鼓動はドクドク脈打つのに、 「嫌だ」と言って近づこうとしない。 あ〜、胃が痛くなってきた。 これも最近しょっちゅうだよ。 早く仁消えてよ。 俺の頭の中から。 前を見て歩けない。 後ろばかりを振り返ってしまっているから。 . [*前へ][次へ#] |