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あの時、
亀の手が俺の背中に回ってきてビックリした。
嬉しすぎて亀をもっとギュッと抱きしめた。
亀は抵抗しなくて、すごく優しかった。
『好きだ』
その三文字が喉元をつっかえて、今にも吻からポロッと出てしまいそうだった。
―…〜‥〜…
「っ?」
携帯が振動して俺を現実に引き戻した。
ぴぃだ。
俺の周りから音が消えて、やけにディスプレイの示した名前だけが浮かんで見えてきて頭を振った。
深呼吸をしてから
通話ボタンを押した。
「………っもしもし…」
『仁〜?久しぶりぃ〜。』
いつものぴぃで半分安心して、半分戸惑った。
「ほんと暫く電話してこなかったもんな」
『まぁお前ら急がしそうだしさ。』
「‥っなんかようがあって電話して来たんだろ?」
『あぁ…。‥今度さ、遊ばね?…三人で』
「さんにん…?」
嫌な予感がした。
『仁と俺と…亀でさ』
ここで断ったら問い詰められる。
テレビ見たりすることよりも、毎日ダチと遊んでたいっていってる俺が、よりにもよってぴぃの誘いを断るなんて不自然だ。
だから返事は必然的に決まってた。
「うん、いいよ」
『じゃあ今度のOFFは──』
このあとまともにぴぃと会話できてたか覚えてない。
俺には、ぴぃが何考えてんのかわかんなかった。
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