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鳳凰の宮学園
帰り道 1


学園の校門に着くと寮へ帰る一本道がちゃんと存在した。



「ふぅ、良かったぁ、道がある♪」



当然あるんだけど、方向音痴の僕としては、涙が出るほど嬉しかった。



夕方も5時になると、辺りは真っ暗闇になっている。



学園の中も林に囲まれているので、不気味な静けさがある。



本当に野生の動物とか住んでいそうだよなぁ。



テクテクと歩いていたら、先の方向に話し声が聞こえてきた。



「可愛いくねぇんだろぉ?」

「そうらしいぜ。だから痛めつけるだけでいいってよ。」

「はぁ。こんな寒いんだから、さっさと終わらせて部屋に戻ろうぜ。」



・・・!

聞こえてきた会話の内容からして、リンチのことを話してるんでは?



わわあ。

誰のことなのかは分からないけど、物騒な話だな。

とりあえず不良さん達に見付からないように寮へ戻らなきゃ。



・・・でも、この道以外の帰り道は知らないしなぁ。

どうしよう?



数分後、木に隠れるように立っていると、後ろから声を掛けられた。



「あ、あの、柊木君?こんな所で何してるの?」



いきなり話されたから体がビクッとしたけど、声の主をみたら先程出逢った紫藤君だったので緊張していたのが嘘のように取れた。



「紫藤君!実は向こうに不良さん達がいて、誰かをリンチするみたいな話をしてるんだ。」



「ええ?本当なの?だったら気付かれないように寮へ戻ろう!柊木君こっちへ来て!」



「うん。」



僕は紫藤君に着いて行く事にした。



「遠回りだけど、林の中に抜け道があるんだ。」



僕達が進路を変えて歩き出そうとしたら、不良達が気付いたようだった。



ガサッ。



「おい、あれ見ろよ!」

「あいつじゃねぇか?追っかけろ!」



不良達は物凄い速さで僕達を追いかけてきた。



「柊木君、不良達が僕達を追いかけて来るよ?」



僕は真っ青になった。

追いかけて来るということは、さっきの話は僕のことなんじゃ?

そんな考えが頭に浮かんだら、足が震えてきた。



ドサッ!



僕は足がもつれて転けてしまった。



「柊木君、大丈夫?」



紫藤君の不安な声と、そして不良達の声が聞こえてくる。



「おい、コラァ待ちやがれ!」



僕は咄嗟に紫藤君を巻き込んじゃいけないと思い。



「紫藤君、逃げて!」



と必死に言った。



「で、でも・・・」



「早く!捕まっちゃう」



紫藤君は数秒迷ったあげくに。



「誰か助けを呼んでくるからね!」



と言って、駆け足で寮へ向かった。






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