ロストウォーリア短編 籠を抜けて/花魁パロ【隼遊×女子前提はゆメグ/町人はゆ×花魁メグ】** 「んぁ、そう、そこっ…あぁっ!」 また貴方の相手ができたことが嬉しくて、仕事を忘れて夢中になってしまう。 「あ…ご、ごめんなさい、また先に…」 「大丈夫…僕は気にしてないから」 優しい笑顔を向ける貴方に、僕はいつしか惚れてしまっていたようだ。 こんなの、許されないって知ってるし…叶わないのも明確なんだけど。 貴方には妻がいる。可愛らしい黒髪をふたつに縛り、てきぱきとした動きが印象的な女性だ。 一緒に街に出掛けたとき、貴方から紹介してくれたのを、鮮明に覚えている。 しかし、結婚してからも貴方はここに遊びに来ている。親が決めただけだし、子供だけ作れば親は満足するから、なんて言いながら。 そんなこと言われたら、期待しちゃうじゃん…。貴方は、僕のことをどう思ってるの? ある日、また来てくれた貴方は、真剣な眼差しだった。 何を言い出すのか、と思うと、いきなり突拍子もなく 「家族にならないか?」 そう言ってみせた。 当然、僕は戸惑う。すると、すぐに貴方は二言目を発した。 「妹の結婚相手が決まらないんだ…何なら君を連れ去って家族にするのもいいな、って…」 それについては僕も嬉しいが、やはり問題はある。 そのことについて問うと、すぐ答えてくれた。 「でも、身分とか戸籍とか…」 「そんなもの、何とかしてやるから。安心して?」 その一言に、貴方の本気さを知る。そして、手を取った。 「うん…一緒に行こう?」 「あぁ、荷物まとめて、持てるぶんだけ持っていって」 抜け出す準備が整うと、貴方は耳元で囁いた。 「家族になれたら、もっといっぱい夜の相手してやるからな…」 [*前へ][次へ#] |