神の名鑑
金剛夜叉明王
【金剛夜叉明王】
金剛夜叉明王（こんごうやしゃみょうおう）は、人間界と仏界を隔てる天界に位置する明王の中でも特に中心的役割を担う五大明王の1柱で、北方の守護神。
金剛夜叉明王は古代インド神話に登場する(ヴァジュラヤクシャ）神が仏教に包括された仏であります。
ヴァジュラとは金剛杵（こんごうしょ）という武器を意味する。
ヴァジュラはインドにおける雷を放つ神の武器であり
金剛夜叉明王は「雷=どのような障害をも貫く聖なる力を持つ神」という意味であります。
しかし金剛夜叉明王は古代インド神話においては、
人を襲っては喰らう恐るべき魔神（夜叉）であり人々の畏怖の対象であったが、
後に大日如来の威徳によって善に目覚め、仏教の守護神五大明王の一角を占める仏となった。
仏教に帰依した金剛夜叉明王は悪人だけを喰らうようになったと言われ、ここから「敵や悪を喰らい尽くして善を護る、聖なる力の神」という解釈が一般的となりました。
日本においても古くから敵を打ち破る「戦勝祈願の仏」として広く武人たちに信仰された。
金剛夜叉明王は三面六臂の姿で、何よりも正面の顔は眼が5つもある特徴ある相をしている。
六本の手には名前の由来である金剛杵や弓矢や長剣、金剛鈴等を把持して構えている姿が一般的である。
金剛夜叉明王の起源は、
曼荼羅や経典に登場する金剛牙菩薩、金剛薬叉菩薩、金剛（いずれも梵語にするとヴァジュラヤクシャ）
および別称の金剛吼菩薩、摧一切魔菩薩と考えられる。
金剛薬叉菩薩は、鳩摩羅什（くまらじゅう）訳の「旧訳仁王教」に説かれる五大力菩薩と呼ばれる憤怒の菩薩で、明王の先駆けである
「理趣経」の大いなる忿り(忿怒の法門) 摧一切魔菩薩の章には以下の記述があります。
かくて、摧一切魔菩薩は、この「大いなる忿り法門」を、より一層に明らかにしようと考えて、顔を和らげ、微笑まれ、手に金剛牙の印を結び、身体全体を金剛夜叉の姿に変身させて、全てのものを恐怖させ、仏道に引き寄せようとされた。
大いなる忿怒は、そのままで大いなる歓喜となり、この教えを1字で表す聖音「ハハ」を唱えたのであった。
[ｳﾞｧｼﾞｭﾗ]とは金剛で[ﾔｸｼｬ]とは夜叉を示す、起源は古いです。
不空成就如来[釈迦]変身
容姿は怒髪の三面六臂で
火焔の光背の前に立っている中央の顔に五つの目を持ち二重に並んだ目と中央の垂直な目は異様です。
■金剛夜叉明王の出自
瑜祗経(ﾕｷﾞｷｮｳ)
■原名:ｳﾞｧｼﾞｭﾗﾔｸｼｬ
■続柄:不空成就如来化身
■特質:悪業を折伏
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