色彩学園
×ダメッ子×
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アレから僕は教室に移動して明日の連絡やらをされてから部屋に帰ってきた…様だ。
“様だ”と言うのは恥ずかしさと東堂先輩が人気者の生徒会長と言う事実に驚いていて記憶が曖昧になって“気づいたら部屋に居た”と言う感じだからだ。
きっと茜が部屋まで連れてきてくれたのだろ。
僕はそんな事を考えながら自分の部屋の床にボーとしながら座っていた。
「…ホント、ビックリしたなぁ…」
だって、東堂先輩が生徒会長だったなんて…
確か学園内の全校生徒の顔を覚えているって言っていたから、きっと頭が良いんだろ。
なら生徒会長でも可笑しくない。
それに、東堂先輩カッコイイし皆にキャーキャー言われているのも納得出来る。
「…でも、何か違ったんだよな…」
そう呟きながら東堂先輩の事を思い出す。
何が違うのかイマイチ分かんないけど、雰囲気みたいなものが違う気がした。
僕を案内してくれた時の東堂先輩は大人ぽくって優しいオーラだった。
まぁ、初めは怖かったけど…。
けど、壇上の上に立っていた東堂先輩は大人ぽいけど何処か冷たくて威圧感たっぷりのオーラを放っていた気がする。
何か、まるで別人みたいな気がした。
東堂先輩をちゃんと見た時はドキッとしたけど、壇上の上の東堂先輩は何か、ヤだな…。
「…し……し…ん、紫音!!」
僕が物思いにふけていると、突然後ろから声がした。
「?!…って、茜!」
そこには扉の前に立った茜がいた。
えっ?何で茜が僕の部屋に…って、同じ部屋なんだから当たり前か。
色彩学園は全寮の部屋が一部を除き二人部屋だ。
そして僕は見事、茜と同じ部屋になったのだ。
クラスも一緒なのに部屋までも一緒なんて運がすごくいいな。
「紫音、考え事してるとこ悪いんだけど…早く片付けないと寝れないよ?」
「え?…って!?」
そう言われ僕は辺りを見てハッ!と気づく。
部屋中に中途半端に開かれたダンボールの山と床に乱雑した私物達がチラホラと…。
そうだった…今は自分の荷物を整理中だったんだ。
僕は入学式の数日前から寮に入っていたんだけど…
「…紫音、何時まで片付け続けるつもり…?」
そう言い茜は呆れたように溜め息吐く。
「う゛ぅ…それは…」
僕は未だに送られてきた荷物を片付けられずにいた。
それは何を隠そう僕は勉強だけじゃなく掃除、洗濯、料理、家事全般が出来ないからだ。
…だって家に居るときはお母さんがやってくれたし。
まさか家でて寮に入るなんて考えもしなかったから、別に出来なくてもイイと思ってたけど…。
いざ、こうゆう事になると掃除くらいは出来なきゃ駄目だなぁ、と思う。
まぁ、今更後悔してもしょうがないんだけど…
そんな事を思いながら部屋を見れば、中途半端に開けられた物から全く手をつけていない物まである…。
それを見て一気にやる気を無くしてしまう…。
もう、10時ちかくだし…今日は茜の所で寝かせてもらおうかな…。
「あ、茜…あの〜」
「駄目だよ!」
「ッ!?」
茜に『茜の部屋で寝かせて』とお願いしようとした瞬間に即座に却下されてしまった。
「紫音、寮に入ってから全然片付け進んでないでしょ!いい加減、片付けないと!
それとも、3年間ずっと俺と寝るつもり?」
「そ、それは…じゃあ責めて、片付けを手伝っ「却下」
えぇっ!?そんなぁ…
僕が言い終わる前にまたもや却下されてしまった。
う゛ぅ…でも、ここで引き下がれない!
だってこんなダンボールだらけの部屋で寝たくないもん!
「それじゃあ、ね」
「…って!待ってよ〜!」
そう言い僕の部屋から出ていく茜を引き留める為に追いかけ、背中に抱きつく。
「茜〜お願ぃ〜」
「だーめ!紫音の為なんだから!ちょっと片付けるくらい出来るでしょ!」
それが出来ないから頼んでるのに…。
しかし今の茜は、何時もにまして厳しい…とゆーか、ご機嫌斜めな様な…。
「茜、さん…?何か、怒ってます?」
恐る恐る訊いてみると…
「別に…」
素っ気なく返してきた茜。
絶対、怒ってるよ〜!?
僕は何故、茜が怒ってるのかぐるぐる考えていると…
コンコン…
とドアの方から聞こえたと共に今の茜と僕の空気には似つかわしい元気な声がしてドアが開かれた。
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