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★ スタホ殺人事件 ★
リベンジB

おかしな擬音でびっくりしている駿介に、亞穂菜はおかしくてケラケラ笑い続ける。

当の駿介はそれどころじゃない。思いも寄らぬハルウララとの配合でどん底に突き落とされたかと思えば、最後に逆転写真となれば、心臓が幾つあっても足りないくらいだ。

『な、なんなんだよ、一体…。』

振り回される自分を落ち着かせ、産まれた栗毛の牡馬に「シグマアルツァモーロ」と名付けた。

少し間を置いてから「3歳馬」のボタンを押す。

『キュイ〜ン

一瞬にしてサテの雰囲気が変わる。音楽変更だ。

『だぁ〜っ、音楽まで変わりやがった

駿介が思わず口走る。

周りのサテのプレイヤーも違和感のある雰囲気に駿介のサテを見る。一瞬にして注目を浴びる駿介

『何ですか、これ?何か音楽違う〜。』

亞穂菜が訊ねる。

『あぁ、これは「音楽変更」って言って、怪物の時に一定確率でいつものと違う音楽になるんだ。』

『へぇ〜っ、じゃこの仔、怪物ちゃんだ

『か、怪物ちゃん

思わず亞穂菜の言葉に苦笑いする駿介

『この音楽はプログレスのWBCCをアレンジしたやつだね。』

『ふう〜ん、何でも知ってるんですね。』

『いや、まだまだ知らないこと沢山あるよ。』

『いいなぁ〜、怪物ちゃん。あたしも欲しい〜っ。』

「怪物ちゃんって…迫力ねぇなぁ、そう言われると…。」

駿介は再び苦笑いした。

『あたしも頑張って怪物ちゃん、作ろ〜っ

亞穂菜はそう言うと、まだ空席になっている最前列のサテに向かっていった。

「ふう…。取り敢えず演出は結果オーライ。あとはオッズでよ、オッズ

駿介はそう言い聞かせながら、まだ数人が注目し続ける中、条件戦を走らせた。

条件戦3連勝。最後の芝2,000mで8馬身差コメと中距離確定コメも出た。

こうなりゃあとはオッズを見るだけ。

駿介はシグマアルツァモーロを一旦放牧して、ラムダアルテシェイラを入厩させる。

レースはきさらぎ賞。プレイヤー馬は2頭だが、どちらもサラすらなさそうなオッズだ。

「よしよし。あとは弥生初戦が何頭いるかだな。アルテシェイラはぶつかっても仕方ない。アルツァモーロはこの2頭なら…。」

頭の中を整理しながら調教を進める。

やがて弥生賞。

ラムダアルテシェイラのオッズは3.1倍を表示。

「おっ、思ったより上がってくれたみたいだな。」

ニンマリと笑い、出走表を見る。他のプレイヤー馬は3頭。6.8倍、6.9倍、11.2倍。

「素質馬はいないな。」
ホッと一安心してレースを見守る。

レースは淀みのない流れで4角を回るが、ラムダアルテシェイラは一向に伸びてこない。

『ありゃりゃ、こりゃダメだ…。』

思わず声が出る駿介。

最後の残り150mあたりから申し訳なさそうにサテのランプが光るが、全く見せ場のないF着惨敗。

『どうすっかなぁ…こいつは…。』

帰りの地下馬道画面で馬を撫でながら考える駿介

「まぁ、FAに向けた底上げだから、無理する必要はないか…。」

そう整理してラムダアルテシェイラをリフレッシュさせると、本命のシグマアルツァモーロの調教に取り掛かる。

『いけね、登録してねえよ。』

駿介は弥生で入厩させたシグマアルツァモーロをスプリングに登録し忘れていたことに気づき、慌て登録作業に入る。

スプリングにはきさらぎC着の馬だけが出走登録されていた。

「よしよし…。」

駿介は登録処理を終え、のんびりと大画面モニターに見入っていた。

やがてスプリングステークスの時間となる。

「どれどれ、素質は?」

駿介が半分ニヤけて地下馬道で表示されたオッズを見てみると、

『ほぎゃっ(=゜ω゜)

本日4回目の『ほぎゃっ(=゜ω゜)』がここで炸裂した。

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