★ スタホ殺人事件 ★ リベンジ@ やがてブルースカイは開店時刻となり、駿介はスタホ2のサテに向かった。 昨日、シグマヴォルテクスを消されたサテに座るのは、何となく気が引けたが、それでも駿介は吸い寄せられるように17番サテにショルダーを置いた。 カウンターに向かい、預けメダルを降ろす。 カウンターにいる女性店員に訊いてみる。 『今日、早間くんはいる?』 『早間さんは今日はお休みですよ。』 女性定員からの返事で、駿介は昨日のことについて進展が望めそうにないと、少し落胆しながらサテに戻った。 今日は伊井も亞穂菜も神戸も、そして居闇も来ていない。 サテは7割方朝一で埋まった。 レースは2005年の福島記念、3歳馬を作るには少し余裕がある。 「ヴォルテクスでサードの総仕上げだったが、予定が狂ったなぁ…。」 素質馬2頭をC馬で底上げすることは決めていたが、2週間後にはスタホ2のバージョンがFAに変わることはわかっている。 TEで再度SS作るには時間が足りない。 「とりあえず、FA発動に向けた底上げだな…。」 駿介は頭の中を整理して、WSJSのエントリーを2人の騎手ともに見送った。 「さて、配合するC馬は…。」 おもむろにスタホノートとにらめっこ。 結論が出たのはWSJS最終戦のゴールデンブーツT。 駿介はそこまでベットもせず、ただ騎手の調整だけを行い、有馬記念のパドックになるとトイレに行って用を済ませた。 迎えたSWBC。 朝一番のSWBCにプレイヤー馬が2頭。 1人は駿介がよく知る黒い羽さんのトレジャーヴァンダム、もう1人も駿介と面識があるペポさんのペガサスメタリカだ。 どちらもSWBC初戦、WBC勝ちからの直行である。 トレジャーヴァンダムが5.1倍、ペガサスメタリカが5.2倍。 『ありゃりゃ、お二人さん、こりゃどっちも引けないところだね』 駿介はこの素質馬2頭の対決パターンが好きだ。 自分の馬が他プレイヤー馬とかち合うのは避けたいが、みている分にはC馬オンリーや、人気のないプレイヤー馬のレースより俄然面白みが違う。 レースは良馬場、スタートのゲートが開く オルコックが飛び出して逃げのペガサスメタリカが離れた2番手、追い込みのトレジャーヴァンダムはバイアリーと並んで最後尾。 横を電車が併走する。 『お〜っ、電車、アツいね』 トンネルを抜けても電車がついてくる。 各サテからどっと歓声が湧く。 『どっちだぁ〜?』 駿介がワクワクしながら大画面モニターを凝視する。 1,000m通過が57″8。どっちにもとれる展開だ。 最後の直線に入り、ペガサスメタリカがオルコック追撃態勢に入り差を縮める。 後方ではバイアリーが追い出しにかかり、ほんの僅か遅れてトレジャーヴァンダムが動き出す。 オルコックは明らかに垂れており、ペガサスメタリカの勢いが上回る。 しかし、追い込みの2騎、バイアリーとヴァンダムが馬群を切り裂いて飛んでくる。 『残るのか?届くのか?』 これぞスタホの醍醐味まさに興奮は最高潮 [←][→] [戻る] |