★ スタホ殺人事件 ★
激震D
居闇は不機嫌そうに亞穂菜に話し掛ける。
『なに?』
亞穂菜は真っ直ぐ居闇を見つめて居闇に問う。
『隣のサテの馬が消えたのさっきサテ空けてた時に誰か触ってた人見てませんでしたか?』
ジッと見つめられながら、居闇は一瞬たじろいだが、
『見てねえよ。ずっとこいつと話してたから。なぁ』
と神戸の方を振り向いて答えた。
『えっ、あっ、うん。』
神戸が突然聞かれて、一瞬困ったような顔をしたが、居闇の答えを肯定して見せた。
『ほらっ、ね。で、馬がどうしたって?丸で俺が何か悪いことしたみたいな口振りだけど?』
居闇が皮肉めいた口調で亞穂菜に返す。
『だって隣ですよ。気づかないはずないじゃないですか。』
亞穂菜は食い下がるが、駿介が止めに入る。
『亞穂菜ちゃん、もういいよ。』
亞穂菜の左手を握り、居闇のサテの前から引き離す。
『なんだなんだ?いきなり犯人みたいな聞き方してきて。ごめんなさいもねえのかよ。』
居闇が亞穂菜に対して更に問いただすような口調だったため、駿介も我慢の限界を超え、
『すまなかった。いきなり知らないかなんて聞いたことは替わりに謝る。でも俺の馬がさっき、席を外している間に誰かに消されたみたいなんだ。その話しをしたら彼女が聞いてみるって言って…』
『なんだなんだ、結局お前も人のこと疑ってるんじゃねえか。あ〜?違うか』
居闇が駿介に詰め寄り、顔を近づけながらいきがる。
「まるでチンピラだな…」
駿介はそう思いながらも、
『誤解して欲しくないけど、誰か俺のサテを弄っていなかったかを見てないか聞いてるだけだ。』
と返したが、居闇は腹に据えかねたらしい。
『それが疑ってるってことじゃねえのか?』
居闇の右手が駿介の胸ぐらを掴む。
「おいおい力技かよ…」
駿介はおとなしく両手を広げて見せた。
こうなると駿介達のもめ事に周りも気付いてくる。
そこへえま店長が
『そこで何やってる』
と止めに入った。
『何で揉めてるのか知らないが、君の行動は暴力だぞ』
えま店長が居闇をたしなめると
『何でもねえよ…。』
そう言って居闇は駿介の胸元から右手を離した。
『何があったんだ?』
えま店長は今度は駿介に聞いてくる。
『いや、大したことじゃないんですみません。』
駿介はペコリとえま店長に頭を下げた。
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