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★ スタホ殺人事件 ★
激震E

居闇は何も言わずにサテに腰をおろすと、何事もなかったかのように調教を始めた。

えま店長は腕組みしたまま暫く動かなかったが、

『今度何かあったら考えさせて貰うよ。』

そう言ってカウンターへ戻って行った。

駿介は深々と頭を下げてえま店長を見送った。

『ごめんなさい、あたしが余計なことしちゃったから…。』

亞穂菜がシュンとして駿介に謝った。

『いやいや、亞穂菜ちゃんは悪くないよ。ホントなら俺が聞くべきところだったんだから…。』

逆に駿介が笑顔で亞穂菜に謝った。

『でも…。』

『もういいから。』

うなだれる亞穂菜の肩を軽く叩き、駿介亞穂菜が落ち込まないように、声を掛けた。

亞穂菜がしょんぼりしている様子を見つけて、サテに戻って来た伊井が声を掛けた。

『どうしたの?やけに元気がないみたいだけど?』

『いや、大したことないよ。ね、亞穂菜ちゃん。』

『う、うん。』

駿介亞穂菜伊井に余計な心配を掛けないように、気遣って答えた。

『そうか?』

伊井はまだ疑ってるような口振りだったが、これ以上詮索するのもどうかと思ったのだろう、冷やかし気味に

『ちぇっ、2人の秘密かよ

と、少し拗ねてみせた。

その仕草があまりにも普段の伊井からは想像できなかったため、駿介は思わず吹き出してしまった。

それを見た伊井

『笑うことはねえだろう

とほっぺを膨らませて更にふてくされる。それを見た亞穂菜

『あんまりほっぺ膨らますと、フグになっちゃいますよ。』

伊井に笑いかけながら声を掛けた。

『えっ、そお?』

なぜか伊井が照れて頭を掻きながらふてくされるのをやめて笑った。

「さっきの亞穂菜ちゃんも、相当フグだったけど…。自分のことを棚に上げて伊井をフグだなんて、亞穂菜ちゃんも天然だな(^^ゞ」

駿介はひとりでそんなことを思いながら

亞穂菜ちゃん、馬調教しないと。』

と語りかけた。

駿介の言葉に、

『そうですね。』

と笑って、亞穂菜はサテに戻って行った。

見届けた駿介は「ふっ」とため息だけついて、サテをぼーっと見つめていた。

「さて、これから何やろう…。」

再び虚脱感に襲われ、何もできずに時間をやり過ごすのか…駿介の心の中は暗かった。

駿介…。』

伊井が話し掛けてくれなかったら、このままずーっと頭の中が真っ白だったはずだ。

『ん?なに?』

駿介伊井の言葉に顔を上げる。

『絶対に見つけてやるから

伊井は気持ちを込めてそう駿介に告げた。

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