★ スタホ殺人事件 ★
激震C
メールを開くとベルさんだった。
駿介の馬が消された?そりゃ酷いな。今日のメダルコーナーは俺と早間っちだけど、俺は伝票仕上げなくちゃいけなかったので、殆ど早間っちが廻ってた筈だよ。電話で早間っちに何か見なかったか聞いてみるよ。早間っちが店に戻ったら駿介のところに行かせるから。
メールにはそう書かれてあった。
「ありがとう。」
そう頭の中でベルさんに感謝しながら携帯をショルダーに戻した。
駿介の様子に気付いた亞穂菜が駿介のところに来て声を掛けた。
『何かあったんですか?』
駿介は顔を上げ
『あぁ、亞穂菜ちゃん…。』
力無く答え、サテを牧場画面に切り替えて、ぽつんと空いた左端を指差して
『『ヴォルテクス』が消えちゃった…』
と苦笑いしながら亞穂菜の問いに答えた。
『えっ、え〜っ、ど、どお〜いうことれすか』
亞穂菜は驚いて舌が回らなくなって舌足らずになりながら素っ頓狂な声を上げた。
『わかんない。ただ馬が無くなってことは間違いないんだ。』
『そ、そんにゃ〜。』
まだ亞穂菜は動揺している。
『まぁ、こうなっちゃうとどうしようもないけど、イタズラされたか、誰かにわざとやられたか…。』
『酷いことする人がいますね…。』
亞穂菜の目に涙が溜まってくるのが駿介にもわかった。
『仕方ないって思ってるけど、やった奴がもしもわざとやったとしたら、俺は許さない。だから店員の早間くんが戻ったら聞いてみるつもりだし、店長にも相談してみるよ。』
『そうですよ、絶対に許せないですよ』
亞穂菜がさっきと同じようにほっぺを膨らまして怒りながら答えた。
亞穂菜はつかつかと駿介のサテの前を横切り、居闇の前に立つと
『さっき誰か隣のサテ操作してなかったか知りませんか?』
と居闇に声を掛けた。いや、声を掛けたと言うよりも居闇を疑っている口調だ。
「あちゃ〜、亞穂菜ちゃん、根が真っ直ぐというか、肝が据わっていると言うか…」
駿介はあまりに素早い亞穂菜の行動に驚くしかなかった。
神戸と話をしていた居闇が亞穂菜の声で振り向いた。
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