カナヅチ 遊ぶ約束 「なー、テスト終わったらどっか行かね?」 「………え?」 次の日の放課後、涼稀先輩が先生に呼び出されてる時、やっちがあたしに言った。 「や、変な意味じゃなくてさ、ほら、小さい頃はよく遊んだろ?」 そんなの言われなくっても誤解しませんよ。 「うーん……部活がない日ならいいよ」 あたしがそういうとやっちは少しむすっとした。…やっちだって部活してるのに。 「んなの、休め休め」 「なんでよ!この前と言ってることが違うじゃん!」 最近言い争いが多くなった気がする。やっちは溜め息を吐いた。 「またあの先輩か?本当は好きなんじゃねぇの?」 「はいはい好きですよ。先輩優しいもん」 もちろん恋愛感情じゃなくて、憧れというか尊敬というか…… って、後ろに涼稀先輩いた!! 「あっ…!先輩!誤解しないで下さい!好きっていうのは恋とか愛とかじゃなくって…」 なんでこんなに必死に説明してるんだろう。周りに目つけられるのが怖いのもあったけど。 「はは。ちゃんと分かってるよ」 先輩は手にプリントを持ちながらあたしの前に座った。先輩も忙しいのに、勉強教えてもらうなんてなんだか悪いな…… [←][→] |