作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー とある魔導師と彼女の鮮烈な日常TS第5巻 経過報告:03(サンプルあり)(2017/5/21) 古鉄≪はい、ここからは特別書き下ろしの方を紹介したいと思います。本編でガンプラ絡みの追加描写が少なかった分、こっちに力を入れる形となりました≫ 恭文「いや、本編でも頑張ったんだけどね。卯月が使うリアルタイプガンダム、作者が作ったものだし」 (挿し絵用に……HGのVer30thから頭部と肩アーマーを流用した、簡単なミキシングです) 恭文「そちらは同人版に写真も載せているので、見てもらえれば……一応支部にも後日、大きいサイズを掲載予定です」 古鉄≪更にもう一機作っています。正確には作りかけのものを、画像編集でカッコ良く見えるようにしたものですが≫ あむ「色を変えてるとか?」 恭文「そういうんじゃなくて、シルエット的になるようにね。まぁそんな機体も登場する書き下ろし……どうぞ!」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 第七ピリオドが終了した翌日――いろいろと予定が押し込んで、来日が遅れてしまった。 それでも父様達と夏の日本(にほん)を歩き、たどり着いたのは病院。そう、マッケンジー卿が入院している病院です。 孫のジュリアンから、マッケンジー卿が倒れたって聞いてさ。いても立ってもいられず飛び込んだ結果――。 「……それで、ジュリアンは」 「三代目と向き合う覚悟を決めてくれたよ。あとは彼ら次第だね」 「もう、なんだよそれー! アタシ達はもちろん、父様もすっごく心配していたのにー!」 「ほんとですよ! 洒落(しゃれ)が効いていませんからね!? 年齢的に!」 「あはははははは、済まないねぇ。グレアムも申し訳ない」 「いや、まぁ……無事なら何よりだ。体調は本当に」 「問題ないよ。医者にもあと十年は暴れられると太鼓判を押された」 そう、なんと仮病でした……! おかげでアタシ達、もう慌てたのなんのってー! でもマッケンジー卿は楽しげに笑う。さっきまで艦船の専門雑誌を、ぺらぺらと読みふけっていたときの……子どもみたいな顔を、そのまま。 「だが済まないねぇ。せっかく応援に来てくれたのに、決勝に残れるかどうかはかなり微妙だ」 「ジュリアンが勝ったとしてもかね」 「ここまでに二敗、積み重ねてしまったからねぇ。恐らくそこがボーダーラインだ」 ◆◆◆◆◆ 「なんと……ガンダムAGE-1フルグランサも発売決定とは!」 「アデルマークIIも出るんだ! それも地上用と宇宙用の両方! 夢のようだよー!」 本日のデートコースは、試合会場近くに併設された大型ホビーショップ≪ジェネシス≫。 バンダイとPPSE社直結のここでは、本日からとある催しが行われていた。 そういうのは大体世界大会会場近くでやるんだけど、これについては出版物も多くてね。 そう、それは――。 ――ガンプラEXPOin世界大会―― フィオレと、ショウタロス達と一緒に展示物を見つめ、練り歩く……いや、練り歩けない。 一つ一つが輝く宝石のようで、つい足を止めて注目し続けてしまう。……うぅ、ケース越しなのが恨めしい。 「お前ら、結局これって……いや、行きたがっていたけどよぉ」 「ですがお兄様達の気持ちも分かります。……ガンプラEXPOの中でも最大級とされる、世界大会時期の商品発表会ですから」 「だがAGE系も推しまくりだな。AGE-FXやAGE-3、AGE-2もMG化か」 「AGEが不人気とか嘘だったんだ……!」 「えぇ……!」 実は期待してたんだよね、AGE-1もMG化したしさ! ……あれ、でもAGE-FX……あ、そうだ! CPの馬鹿ですっかり忘れていた! もう発売しているよね、HGは! ◆◆◆◆◆ ……実は世界ランカーが過去の大会で作成・使用していたガンプラは、本人プロデュースという形で一部が市販されている。 いわゆるコピーモデルだね。ただね、そのままではないの。量産を前提としたインジェクションキットだから。 構造・性能的にある程度のデチューンもされているし、大会での結果から交渉・設計・生産だし、出せる数もそう多くない。 時期自体も決してタイムリーというわけでもない。ただ……そんな中で、威風堂々とその姿を晒(さら)すのは。 「まさか、これが市販されるとは……!」 「衝撃だよねぇ」 そう……去年、世界の王座を勝ち取った≪ビグ・ラング≫。カルロス・カイザーのガンプラだよ。 もうね、完全に大人向けの高級モデル。価格も一四四分の一なのに、PGレベルだし。うわぁ……予定価格五万八千円って。 でもその圧倒的完成度と、現物に迫る勢いのディテールは目を見張り、その価値を高めていく。 ……なお、カイザープロデュースのガンプラはこれだけじゃない。タツヤとのバトルでも使用した≪シャア専用ザクII≫。 Revive枠の一つとして、これとはまた別に発売決定している。こっちもオリジン版に負けないくらいカッコいいよー。 「うん……お父様のに比べるとまだまだだけど、これがデフォルトなら十分」 ……すると、左側から声。 そちらを見ると……金髪をフォーテールに分けた、小さな女の子が立っていた。腕組みして自信満々に、短めのフリルスカートを揺らす。 「あれ……プリンセス!」 彼女はこっちに振り向き、楽しげにVサイン。 「久しぶり、ヤスフミ。それにそのしゅごキャラ達も」 「うん!」 「やっぱお前も来てたか!」 「フィンランドの地区予選ぶりか……もぐもぐ」 そのまましっかりと握手。……っと、フィオレには紹介が必要か。 「ヤスフミ、彼女は」 「カルロス・カイザーの娘さんだよ」 「まぁ!」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 恭文「はい。HP版では全く出ていないので、馴染みのない人も多いと思います。なのでご紹介を」 あむ「ほんとじゃん! カルロス・カイザーって、アニメだと台詞もなく負けた人だし!」 恭文「アニメではね。ただ漫画『ガンダムビルドファイターズA-R』ではキャラクターの掘り下げがされているんだ。 ルワン・ダラーラやライナー・チョマー、グレコさんも同じくなんだけど……そんなA-Rの第六回世界大会編で登場したのが彼女、プリンセス」 古鉄≪紹介した通り、カイザーの娘としてランカー組の間では有名。 第六回世界大会ではタツヤさんやカイラさん達とも親しくなり、その流れで私達も仲良くなりました≫ 恭文「プリンセス自体もまだまだ修行中だけど、才気溢れるビルドファイターでね。自作のガンプラ≪クランシェ☆アスタ≫も作っているんだ」 あむ「クランシェってことは、AGEの……あれ、それって」 恭文「なおとまとでは”これから”作る予定です。……AGEの放送時期、リアルと同じ二〇一一年十月からだったので」 (なのであのイベントもできれば……!) 恭文「そんなプリンセスも登場して、のんびりEXPOを楽しもうってお話だよ」 あむ「うん……で、もう一話は」 恭文「そう、舞台は池袋」 あむ「また!?」 (とまとでの池袋登場率は相当高い) 恭文「それでね、それでね……えへへー」 あむ「気持ち悪いから笑うな!」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 回転ずし――ベルトコンベアにヒントを得て発達した、庶民向けの寿司(すし)文化。 現在ではスシローやくら寿司(すし)などのチェーン店が凌(しの)ぎを削り、日進月歩を続けている。 そんな回転ずしの一店に来て、まずは……僕が今回食べるのは……マグロのたたき。 しかもネギトロみたいな軍艦じゃなくて、普通に握ってる……! それに衝撃を受けながらも、うまーくしょう油を付けて一口。 上に載せられたわさびもよく利きつつ、独特の濃厚さととろっとした食感がすし飯に合い……最高ー! 「んうぅー!」 隣の星梨花は、炙(あぶ)りサーモンを一口で食べる。 あれは僕も食べたけど、美味(おい)しかったなぁ。マヨネーズが挟んであって、とにかく濃厚で香ばしいの。 「で、でもこれは新鮮……こんなお寿司(すし)、パパ達と行くお店では」 「なかなか食べられないでしょ」 「はい!」 ≪本格的な江戸前寿司(すし)などでは、サーモンが出ないんですよね≫ 「食べるの初めてだけど、濃厚で美味(おい)しいよ」 回転寿司(すし)で人気のネタというのは、実は結構固定されている。サーモンやマグロ、イクラなどだよ。 年代である程度の変動はするものの、サーモンの人気は実に根強い。しかし……アルトが言うように、本格的な江戸前寿司(すし)では出ない。 これこそ庶民の味とも言えるわけだ。でもサーモンも初めてだなんて……! 星梨花の初めてに付き添えるなんて! ◆◆◆◆◆ そう、今回は星梨花と一緒に食べ歩き――事の起こりは、星梨花のこんな一言だった。 ――わたし、回転寿司(すし)って食べたことがなくて―― ――えぇ!?―― 生すかでのグルメ特集で、今度家族向けの回転ずしを取材するのよ。最新のトレンドも含めつつ、現状の回転ずしがどう変化しているかもレポート。 それは今回、星梨花と杏奈、美奈子がやることになったんだけど……これだからなぁー。 なので思い立ったが吉日。僕が星梨花をエスコートして、何件か食べ歩きすることにした。 ……なおこれをデートとか、星梨花とのフラグなんて言ったフェイトは……しっかりお仕置きしました。 そういうんじゃないからね!? そもそも星梨花は今年で十四才……というか、来年の二月に十四才な中学二年生! これからアイドルを頑張ろうっていう子なんだから、そういうのは絶対駄目! ◆◆◆◆◆ 北海道(ほっかいどう)に行くなら、必ず行くべしというお店がある。そう……それが回転寿司(すし)トリトン。 実は去年のアリーナツアーでも……行けたらよかったんだけどなぁ。 食べ歩きして、腹ごなしもして……時刻は午後三時。お昼時も越えていたのが幸いした。 待合用の椅子……それも三席目くらいに陣取れたので、星梨花と二人座って待つ。 「ここが北海道(ほっかいどう)のお店なんですか?」 「そうだよ。東京(とうきょう)スカイツリー近辺と池袋(いけぶくろ)に、最近出店してね。まぁ美味(おい)しい分、値段もワンランク上なんだけど」 ≪北海道(ほっかいどう)へ行くときは、必ず立ち寄るんですよ≫ 「でもアリーナツアーのときは」 「味噌(みそ)太郎絡みの話があったからねぇ。……春香達は普通に食べていたって言うのに!」 「それはズルいです!」 そう、奴らはズルい! 僕達が味噌(みそ)ラーメンをどうするかって悩んでいたときに……畜生めぇぇぇぇぇぇぇぇ! 星梨花も同じ怒りを抱いたのか、両手を握り締めてガッツポーズ。 「なら今日は、わたし達だけでいっぱい食べましょう!」 「うん!」 そんなこんなで入店――星梨花と向かい合わせに、テーブル席に座る。 まずはと二人で取ったのは、肉厚のサンマ……! いや、あんまりに光り輝いていて。思わず取っちゃったのよ。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 古鉄≪あ、ここで補足を一つ……江戸前寿司ではサーモンを出さないと言っていますが、今だと使っているところもあるそうです≫ あむ「間違ってるじゃん!」 恭文「江戸前の旬で言ってたんだもんー!」 (大変申し訳ない……) 古鉄≪ただ、元々江戸前寿司にないネタだったのは確かです。その伝統を重んじて、扱わない職人さんがいるのも確かです≫ あむ「あ、それは本当なんだ」 恭文「元々サーモンは、アニサキスって寄生虫が付いていることもあってね。対処方法は熱処理か冷凍なの。 でも江戸時代などには冷凍処理なんてできないから、扱わなかった。 というか……そもそもの話、東京湾では鮭が捕れない。新鮮さという点でも問題を抱えるネタだったから」 あむ「そっか……寄生虫関係は危ないって言うしね。でもトリトン……恭文、もしかしてコレがあるから池袋?」 恭文「そうそう」 (作者も実地調査を兼ねて、食べに行きました) 恭文「そうそう、ここは接客が豪華なのよ。自分の席を担当する職人さんに挨拶されるの」 あむ「職人さんがつくの!?」 恭文「さすがに数席纏めてだけどね」 (そんな回転寿司は始めてで、目を丸くした今日この頃) あむ「でも星梨花ちゃん、回転寿司もさっぱり……やっぱり、ふだんは回らないお寿司なんだ」 恭文「うん。それも味も抜群にいいお店……そんな毎日とかではないけどね」 あむ「あぁ、それはなぁ……じゃあサーモンなんて食べたのも」 恭文「お寿司としては初めて……こんな世界があったのかと、目を輝かせる様子が愛らしくて」 あむ「アンタはかわいがりすぎだから……! というかやよいさんはどうした!?」 恭文「やよいは高校生になったので、本人との約束通り天使扱いはやめてるのよ」 あむ「そうだった!」 (少し寂しいけど、大人になろうとする第一天使を応援する……そんな蒼い古き鉄でした。 というわけでThird Season最終刊、みなさん、何卒よろしくお願いします。 本日のED:藍井エイル『AURORA』) [*前へ][次へ#] [戻る] |