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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間リローデッド第5巻経過報告:01(サンプルあり)(2017/5/26)
[TOMATO] とまと幕間リローデッド 第5巻『彼が作る世界は』


古鉄≪というわけで、幕間リローデッド第5巻の経過報告です。
まずは幕間本編から……現在ディケイドクロス二話、ISクロスパイロット版二話、幕間本編二話が完成。
アプリスク編も一話書き上がる寸前となっています≫

恭文「今回のアポクリファ編は、ここまで全く目立っていなかった”黒”のキャスター組がメイン。ついに、あの宝具が降臨……!」


(まだまだ夜は明けません)


スカサハ(アサシン)「……私の出番はないのか」

恭文「ないよ!? というか、設定的に普通の聖杯戦争じゃ出られないキャラですよね、スカサハ様!」

スカサハ(アサシン)「水着なら問題ないだろ」

恭文「大ありだぁぁぁぁぁぁぁ!」

古鉄≪残念ながらスカサハ様は出ませんけど、武内さんボイスのアーチャーが活躍します。というわけで、どうぞー≫


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「我々からの要望です。どうかこのまま協力を――。
この聖杯大戦、既に決したも同然……”黒”のサーヴァントは、アサシンを除いて残り二……いや、四騎」


”黒”のアーチャー。

”黒”のライダー。

そしてルーラーと、彼女向こうに加勢する形となった”赤”のセイバー。


「おい、アサシンが抜けてるぞ」

「あぁ、それなら大丈夫です。彼女達はこちらに付きましたので」

「なんだと……」

「割と急に纏(まと)まったので、報告が遅れました」


つまりこちらの戦力は――。


”赤”のライダー。

”赤”のアサシン。

”赤”のキャスター。

”黒”のアサシン。

”黒”のキャスター。


合計五騎……この数的・状況的優位は理解できたようで、ライダーも息を飲む。それも楽しげに……心が沸き立つと言わんばかりに。


「じゃあ、コイツはなんで」

「話を聞きたくてね」

「話?」

「実は前々から疑問だった……君は”黒”の陣営に対して手を抜いていた」


おやおや……やはりそこが引っかかりますか。つい笑みを浮かべてしまうけど、ライダーや”赤”のキャスターは分からないらしく疑問顔。


◆◆◆◆◆


「条件が一つある」

「どうぞ。できるだけ配慮しましょう」

「君をマスターとする分には問題ないが、私の元マスター≪ロシェ・フレイン・ユグドミレニア≫は僕に一任してくれないか」

「つまり?」

「彼に危害を加えることは辞めろ……ということだ」


なるほど……と納得して頷(うなず)くと、アサシンが愉(たの)しそうに笑う。


「ほうほう、なかなかあっぱれなサーヴァントだな。己の身と引き替えに、主の安全を保障させるとは……」


……そんなわけがないでしょう。アサシンは致し方ないとはいえ、彼の本質を誤解しているようだ。

ただそれは、私が関することではない。重要なのはただ一つ……それにより、こちらの駒が増えること。大聖杯の守(まも)りが盤石になることだけだ。


アヴィケブロンは私の前へと進み出た。


「どうぞ手を」

「手袋越しで失礼する」


アヴィケブロンの右腕が差し出される。その手を取り、再契約のために詠唱――。


「あなたを我がマスターとして認めよう。天草四郎時貞殿」

「よろしくお願いします、アヴィケブロン」


こうして余りに……とても端的に。


彼は一人の少年を切り捨て、贄としたのだ。


◆◆◆◆◆


――夜食タイムも落ち着いたところで、改めてアーチャー組と作戦会議。

なお男二人はいろいろ傷心……更にライダー組はこう、こう……破廉恥です!


「”黒”のアーチャー、そしてユグドミレニア当主代行セレニケ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア。
”黒”のランサーとそのマスター≪ダーニック≫は滅び、二人目のルーラーに大聖杯が強奪されるという危機的状況です」

「「……」」

「もう言うまでもありませんが、この時点で”黒”と”赤”の対立構造は完全崩壊……聖杯大戦も同様と考えます。
”黒”の側(がわ)に肩入れはしませんが、状況解決のため……改めて協力を申し出たいと思います」

「「は、はぁ……」


燭台(しょくだい)の明かりに照らされながら、一応は威厳あるルーラーとして宣言……なのに、二人の視線は生暖かい。


「あの……何か」

「いや、何かというか、その……えっと」

「あなた、歯にネギが付いてますよ」

「え!?」

「それも三つ」

「三つぅ!?」


慌てて隅っこに走ってしゃがみ、手鏡(レティシアのもの)でチェック……いやぁぁぁ! 前歯とちょっと奥まったところに! 本当に三つー!


「ちょ、アーチャー!」

「ですが、言わないとその……気になって集中できないので」

「た、確かに……というかあなた、食べ過ぎです」

「どこがですか!?」

「全てですよ! あれですか、魔力供給と言えば何でもありですか! というか……とっととネギを取りなさいー!」

「はいー!」


慌ててネギを取って……あ、しゃきしゃきしゃきしゃき。
また食べたくなりながらも、席に戻ってせき払い……あぁ、駄目だ!

二人の目がとても微妙です! ルーラーなのに……ルーラーの威厳が吹き飛んでるー!


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「……大丈夫だよ、ジャンヌ。僕は最初から威厳なんて感じていなかった」

ジャンヌ(Fate)「マスターの馬鹿ぁ!」


(フランスの聖女、登場した早々にチョップ)


恭文「がふ!」

ジャンヌ(Fate)「そんな擬音が出るほどは叩いてませんよね! ……どうして引いてくれないんですか。
私、幕間が追加されて……スタンがなくなりました。FGOももうすぐ二年目ですよ? なのに」

恭文「そ、それについては運としか……」

ジャンヌ(Fate)「それに膝枕って……スカサハと膝枕ってなんですか!
私だって水着になってますからね! フェイトエクステラのDLCで! 今度出るスイッチ版では無料でゲットです!」


(説明しよう。スカサハのトレーニングが予定外にハードだったため、今日の蒼い古き鉄は膝枕で眠れるそうなのだ。もっと言えばFGOの絆レベル5会話です)


スカサハ(アサシン)「なんだ、お前もこやつに膝枕がしたかったのか」

ジャンヌ(Fate)「膝枕どころか、添い寝で……その……奥様が持っていた書物みたいに……」(ごにょごにょ)

恭文「それは、ツッコまなくてもいいよね……!」

スカサハ(アサシン)「済まんが今日は譲れんぞ。明日の修行はお主に任せるから、好きにするといい」

ジャンヌ(Fate)「……分かりました。なら明日は膝枕です。膝枕以上のことも頑張ります。いいですね、マスター」

恭文「何かがおかしい! というか、スカサハ様ー!」

スカサハ(アサシン)「問題はないだろう」

恭文「僕の意志とかガン無視で決まっている時点で、大ありだよ!?」

ジャンヌ(Fate)「あとマスター……通帳を、受け取ってください」

恭文「それは駄目だって言ったよね! 駄目駄目駄目……人のお金で引くガチャは、堕落します!」

古鉄≪まぁいいじゃないですか。今度福袋が来たら、アサシン&エクストラ枠で引けば≫

ジャンヌ(Fate)「あ、そうですね! 今までの通りでくるなら、ジャックと私の二択です! これで……今度こそ」

古鉄≪それでジャックさんが来たら、最高に愉悦ですよね≫

ジャンヌ(Fate)「それだけは、断固阻止します……!」

恭文「どうやって!? と、とにかく次だ次ー!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「……そもそも聖杯というのは、この世の内側に属する範疇(はんちゅう)であれば……どのような願いでも叶(かな)えられます。ただしそのためには条件が」

「条件?」

「聖杯は過程を省略して、結果だけを得られる魔術的装置……ゆえに、終着点である願望に対し、強烈なイメージが必要です」

「それならば問題ありませんね。彼にはそのイメージがあり、それに基づき行動している……しかしルーラー」

「分かっています。だとしても、大聖杯を強奪までするでしょうか。単純に勝ち抜くだけであれば、セミラミスよりもっと……上手(うま)いやり方がありそうで」


そう……ただ全人類を願うのであれば、聖杯にそれを託すだけでもいい。やはり私の存在があったから?

もしかしたら召喚される可能性を予測して……でもなんだろう、何かが引っかかるような。


ヤスフミが予測したように、魔力炉としての大聖杯に目を付けたとしても……うぅ、これは一体。


≪この場合は、やっぱり状況からのプロファイリングですね≫


そこでドアが開かれる。あのとき……私達に自らを差し出そうともした、ホムンクルスの彼女が立っていた。

お辞儀する彼女の両手には、蒼い翼を生やしたアルトアイゼン。彼はパタパタと羽ばたき、私達の眼前にてホバリング。


「失礼します。この方があなた達を探していたので、お連れしました」

「ありがとう。……デバイスというのは、自立行動も可能なのですね。彼は」

≪立てたフラグの回収を頑張ってますよ。ボディランゲージで≫

「「……!?」」

「おやおや……だとするとあなた、相当に空気が読める人ですね」

≪あなたほどじゃありませんよ≫


つ、つまりその、桜セイバーと魔力供きゅ……うぅ、妻なのに先を越されたー!

いや、仕方ないけど! レティシアの身体という点も気にしてくれていて……でも、モヤモヤする……。


◆◆◆◆◆


……耳が痛くなるほど、しんと静まりかえる湖……その前で、先生は詠唱を開始する。


”地(はは)に生まれ、風(ちせい)を飲み、水(いのち)を満たす”


それは土塊(つちくれ)に命を吹き込むための、天への祝詞。


”火(ぶき)を振るえば、病(あくま)は去れり。不仁は己が頭蓋を砕き、義は己が血を清浄へと導かん”


この土は、この樹木は、この身体は、これ全て主への捧(ささ)げ物。名声も、力も、何も求めない……先生のような超越者のみが作り出せる、神秘の極地。


”霊峰の如(ごと)き巨躯(きょく)は、巌(いわお)の如(ごと)く堅牢(けんろう)で、万民を守護し、万民を統治し、万民を支配する貌(かお)を持つ”


それはもはや、宝具という領域に留(とど)まらない。いや、宝具をただの必殺武器としか使えない、有象無象の英霊では生み出せない……奇跡の結晶。


”汝(なんじ)は土塊(つちくれ)にして土塊(つちくれ)にあらず。汝(なんじ)は人間にして人間にあらず。
汝(なんじ)は楽園に佇(たたず)む者、楽園を統治する者、楽園に導く者。
汝(なんじ)は我らが夢、我らが希望、我らが愛”


受難の民族……その信仰を具現化するもの。
王の奇跡、その再現。


”世界を塗りつぶす”役割を背負った人形――。


”聖霊(ルーアハ)を抱く汝(なんじ)の名は――――『原初の人間(アダム)』なり”


その瞬間。

穏やかな湖面にごぼりと、泡が浮かび上がった。



◆◆◆◆◆


荒れ果てた戦場が癒やされいく。あの巨人の進軍に合わせて、草木が目覚め、育ち、果実を生み出しては落とし、新しい樹木の種となる。


しかもどこからともなく野生動物達も縋り、巨人に触れては吸収されていく。夢心地で……幸せそうに。

どれだけ仲間が消え去っても、誰も気に止めようとしない。本気で望んでいるのだ、あの巨人に触れることを……その結果を厭わぬほどに。


傷ついた城壁の頭頂部に、ルーラーと降り立ち、その光景に寒気を覚える。


『ふむ……誰も死ななかったか』

「キャスター……!」


私の呼びかけに、ゴーレムの肩に乗る男――アヴィケブロンは、軽く首肯しながら手を振った。


『ライダー、それにルーラーも……元気そうで何よりだ』


ライダーもバルコニーから飛び出て、我々の脇に着地。そのままいら立ち気味にキャスターを指す。


「ふざけんな、馬鹿野郎! キャスター、これはなんだ! それに、なんだそのゴーレムは!」

「……キャスター、ロシェはどうしましたか」

『――――――』

「――!」


その平然とした返しに、歯をぎりぎりと噛み締める。腹の中に焼けた石を突っ込まれたような、どうにも形容しがたい熱が蠢いていく。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「ついに”黒”のキャスターが宝具を解放……その中身は、今までの話で出た通りにゴーレム。
ただし超規格外……そもそもゴーレムとはなんぞやという、その根源にも触れうる本質」

古鉄≪なお、物質変換で一蹴する模様。ほらほら、出番ですよ≫

恭文「さすがにそれは台なしだと思うんだ!」


(『庭園とは違うのさ、庭園とは』
『貴様……それは我に対しての当てつけか?』)


恭文「果たして本当に一蹴されるのか。その辺りは本編をご覧頂ければ」

スカサハ(アサシン)「私の槍を使うか?」

恭文「使わないよ! それってやっぱり出てくるってことだよね! いや、それ以前に……そもそも使えるの!?」


(ケルトの闇は深いようです。
本日のED:小林太郎『DIE SET DOWN』)





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