[前]夜空舞う、銀の蝶
4
参ったなー、と頭を抱える。
その時、服が引っ張られた。
「…凪?」
「悠嘉、も……消えちゃうの…?」
「え…?」
「皆ね、消えちゃうの…私は…いつも…」
…独り…─
少女──凪は恐れていた。
独りを。
孤独を。
…私と同じ。
蝶は凪にそっと笑いかけた。
゙一緒に居てあげる゙
゙独りにしない゙
そう意味を込めて…────
*
「生きて、るんだよな…?死んで、ないよな!!?」
「落ち着けダメツナ」
ガンッとツナに蹴りを決めるリボーン。
蝶はあれからずっと瞳を開けない。
眠り姫のように、ただ寝ている。
時間はさほど過ぎてはいないが、とても長く感じてしまう。
「リボーンさん…これは…」
「あぁ。スゲェやべぇ状況だな」
兎に角、蝶に酸素を。
すぐに病院に運ぶぞ。
はい…!!
─三人のそんな様子を見ても、ツナは動けなかった。
(離れた)
(体[ウツワ]と魂[ナカミ])
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