Silver Chain 2 「大丈夫かい?何があったんだい?」 テンゾウが、暗部に駆け寄った。 あたしは、重傷の暗部の容態を確認していた。 背中に深い切り傷があり かなり出血している。 かろうじて息があるものの、かなり深刻な状態だった。 「莎罹さん達の応援に向かう途中で、抜け忍に遭遇しました。二人だと思っていたら、もう一人居て…私を庇って蓮が…」 そう言って、腕を負傷している暗部が、うなだれた。 『このコ、蓮っていうの?息はあるけど、かなりヤバイわよ。あたし少し医療忍術使えるけど…』 あたしの場合、傷を完治するまでの技術は無い。 止血程度までは、出来るだろうが、止血だけでは 命は助からない。 とりあえず、やるだけやってみよう。 「救助の式は、飛ばしたの?君の名前は?」 「式は飛ばしたました。私の名は、桜華です。私の傷は、たいしたことありません。どうか、蓮を、蓮を助けて下さい!」 絶叫とも呼べる様な声で 桜華は叫んでいた。 『大丈夫。絶対に助けるから!テンゾウッ!救助待ってらんないっ!桜華を連れて先に戻って!』 「いっ、イヤですっ!蓮から離れたくありません!私もここに居させてくださいっ!」 桜華は、強く首を振り テンゾウの手を拒んだ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |