[携帯モード] [URL送信]

Long
オレ達の彼氏は今日もご機嫌ナナメ
今日の獄寺は、本気で機嫌が悪い。
話かけても無視、追い掛けても無視。
いいかげん、オレでもへこんで来た。

「珍しいね。獄寺隼人とセットじゃないんだ?」
「…ヒバリ。な、獄寺しらね?」

さっき屋上行っても居なかった。
「知らないよ。そんな心配なら、鈴でも付けとけばいいじゃない?」
…今時、鈴はない。
「てか、ボク忙しいから、構ってらんないし」
そのまま、無情にも去っていく。あー。聞く人間違えたのな。
「お、山本ー」
「あ、ディーノさん」
ひらひらと手を降りながら、廊下を歩いてくる。
学校だってのに普通に顔を出すこの人に、ツナと獄寺は呆れてる。
でもさ、仕方なくね?
好きなヤツが確実に居る場所。行くじゃん、普通。
「あれ、相方いねーの?」
「…探してるんすけど…」
「…喧嘩?」
「いや、わかんないんっすよ。機嫌はかなり悪いみたいだったんすけど…」
「大方、どっかですねてンじゃねーの?」
「…ですかね?」
「お互い気の強いの相方にしてるからな、なんとなく分かる(笑)」

や、ヒバリと比べたら獄寺なんか可愛いと思うけど?
…大変、可愛らしいと思うけど?
「てか、ヒバリならさっき、あっちに…」
「知ってる。仕事あるから、邪魔すんなだと」
苦笑いが、かなり板に着いてきたな、この人(笑)
「お前も振られたみてーだし、一緒にヒマ潰すか?」
「そうっすね」


「良い風だな」
「そうっすね」
結局屋上に来たオレたちは、横になって空を見上げる。
正直この人のことは、気に入ってる。自分の気持ちを、素直に行動に移せるとことか。ま、さっきも言ってた通り、選んだ相手も似てるしな。お互い、ハードル高い方が好きなタイプなんだろう。

「んで、そっちは上手くいってんの?」
「まーまーっす。今日はダメですけど。そっちは?」
「あー(笑)、こっちもまーまーか。やっぱ、遠距離だし、なかなかな…」
「そうっすね。しかも意外にヤキモチ妬くんだなって。アイツ」
2、3ヶ月前にあった事件を引っ張り出してみる。あの時は、正直、獄寺も機嫌悪くてかなり困った
「あー。わりぃ(笑)」
「でも、いいっすよね。妬かれるのって」
「まー、小さいのならな(笑)デカイと、なかなか取り繕うの大変だぜ。って、お前んとこも、妬いてくれそうじゃん?」
「あー。アイツの場合。カッコつけなんで、ワザと気にしてない風なんですよね。もっと、こう…表出してくれると…」
「まー。アイツのプライドが許さないんだろ」
「ですよね」
それが分かりやすくもあり、寂しくもあり。妬いてる時ほど寄ってこねぇし。

「…んで、行方不明の理由は?」
「よくわからないんっすけど、多分昨日の試合かな?」
「あー。また囲まれたわけか。ヒーローは辛いなぁ」
「最初は、その光景、チラチラ見てたみたいなんすけど…」
やっぱりそれしか思いつかねぇし。そっから獄寺は、ツナにベッタリで、かなり寂しく感じた。
「…妬いてんじゃん。ちゃんと」
「喜んでいいんすかね?完全無視っすよ?」
「まー。いいんじゃね?」
「…こう…、もう少しはっきり云ってくれるといいんですけどね…」
「はっきり云われ過ぎも、困りもんだぞ(苦笑)」

あー。お気の毒(笑)アイツなら云ってくるわ。

「…でもま、俺のこと、なんだかんだ云っても、待っててくれんのは、可愛いわな」
「ウチだって、素直じゃない態度も含めて、可愛いっすよ」
「お。云ってくれんじゃん。この前みたいに、自慢大会する?」
「負けないっすよ、ウチ。この前なんか、アイツんちで…」
『…なんだって?』

へ?獄寺の声が、起き上がって話をしようとした、俺の頭の上から聞こえる。
「獄寺?」
「オレんちで、なんだって?」
「…ホラー映画見てたら、手、繋いできて…」
「ばっ、馬鹿っ、あれはちげーし。なんでもねーし、繋いでねーしっ」
真っ赤になって慌ててる。

多分、怖かったんだ。可愛いよなー。その後、映画そっちのけで、するコトしちゃったから、映画の内容なんか覚えて無い。
「オマエは一々余計なコト、云うなってのっ」
真っ赤になって怒っても、迫力ないから(笑)
「ホラーダメか?お前」
「こ、こわかねーしっ。跳ね馬も余計なコト、云うなっ」
「…おー。可愛い反応」
「可愛い云うなっ馬鹿馬っ」
「あーでも、ウチのもさ…」
『…何か?』
雲雀の声がまた、背後から聞こえる。
「…」
「だから、何?」
「仕事終わった?」
「終わったけど?」
「んじゃ、応接室いい?」
「いいけど?」

迎えに来てたりする?雲雀。
…わー、すげー。アイツが他人のコトで動いてるよ…。
獄寺を見たら、同じコト考えたらしく、オレの方見てびっくりしてる(笑)
「と、云うわけで、俺行くわ」
「あ、はーい」

去っていく二人、残されたオレ達。

「獄寺、どうした?」
「…あ、十代目が、オマエのコト探してらっしゃってたからっ」
「迎えにきてくれたのな?」
「…迎えにきたんじゃねぇよっ、頼まれたからっ」

や、頼まれたから、迎えににきたんじゃねぇの?(笑)
素直じゃない、コイツがたまらなく可愛い。
「早く行くぞっ、野球馬鹿」
そういって背を向けるけど、真っ赤になってる耳は隠せない。
置いてかれる前に、オレは、手を繋いで後を追い掛けた。

[前へ][次へ]

2/7ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!