[携帯モード] [URL送信]

年上の吸血鬼
目論見

「観察」

「はっ?」

「位の高い薺が何故、あんたみたいな下級クラスの凡人に惹かれたのか気になったので‥」

「‥凡人ですみませんね」

どうしてこいつらはいつも上から目線で失礼なんだ‥。

「でも、あたし観察してもあんまメリットないですよ」

「それはとんだデメリットだな。…だが」
「?」

彼は邪悪な笑みを見せ、あたしを見つめた。

「デメリットがあれば、メリットの1つや2つあんだろ」

「!」

なんて強情っぱり!?

「まず始めに、観察の前にちょっとばかし、身体を分析する」

「ぶっ、分析!?…解剖ですか?」

「解剖したら、観察できねぇだろ。血を採って調べんだよ」

「…遠慮します」

「そんな怖がんなって!痛くしねぇから!!」

怖い?
そう、私は怖がってるのです。
ただでさえ、薺さんに吸われまくってる貴重な生命線のような大事な血を、観察のためにあげるだと?
ふざけんな。
貧血で倒れるだろうが。
てめぇなんて怖くねぇんだよ、あたしは貧血が怖いんだよ!!

心の中で私は満ち足りた不安を最大限にいかして、グチっていた。
外面では良い顔をして。



[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!