年上の吸血鬼 目論見 「観察」 「はっ?」 「位の高い薺が何故、あんたみたいな下級クラスの凡人に惹かれたのか気になったので‥」 「‥凡人ですみませんね」 どうしてこいつらはいつも上から目線で失礼なんだ‥。 「でも、あたし観察してもあんまメリットないですよ」 「それはとんだデメリットだな。…だが」 「?」 彼は邪悪な笑みを見せ、あたしを見つめた。 「デメリットがあれば、メリットの1つや2つあんだろ」 「!」 なんて強情っぱり!? 「まず始めに、観察の前にちょっとばかし、身体を分析する」 「ぶっ、分析!?…解剖ですか?」 「解剖したら、観察できねぇだろ。血を採って調べんだよ」 「…遠慮します」 「そんな怖がんなって!痛くしねぇから!!」 怖い? そう、私は怖がってるのです。 ただでさえ、薺さんに吸われまくってる貴重な生命線のような大事な血を、観察のためにあげるだと? ふざけんな。 貧血で倒れるだろうが。 てめぇなんて怖くねぇんだよ、あたしは貧血が怖いんだよ!! 心の中で私は満ち足りた不安を最大限にいかして、グチっていた。 外面では良い顔をして。 [*前へ][次へ#] [戻る] |