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散雪華〜貴方と共に〜
複雑…〈平助視点〉

「何にもすることねえのかよー。」

オレたち壬生浪士組は京に来て日が浅い。
だからか? まだほとんど仕事みたいなことはないんだよなあ。

ま、まだ組織と言うにはちっぽけだし、何より「また浪士が増えた」と京の人間からは“みぼろ”とか言われて、田舎者扱いされて嫌われてるから、なんかやりにくい部分もあるんだよな。


そんなことを考えながら、でもじっとしてなんかいられなくてオレは京の町をただぶらぶら歩いてた。


「さっきの…」
「言わんでええ!忘れるんや。異国人のことなんさ」
「せやけど、ほんまに異国のお人なんやろか? どない、あんな堂々と歩いておれるんやろ…?」


……異国人……?

おかしな奴もいたものだと思った。
だって、京のど真ん中で堂々としてるなんて捕まえてくれって言ってるようなもんだからな。


「そいつ捕まえたら、オレの手柄か!?」

今までの退屈が吹き飛んだ瞬間だった。



…あいつか?

町人達が来た方に歩いてくと、道にしゃがんで何かやってる奴がいた。

武器を持っているようにも見えなかったから、オレはそいつに話しかけた。

「おい。」

……。

無視かよ。

地面に向かって何か考え事をしているらしく、そいつはオレが何度か話しかけたら 呼びました? とか何とか抜かしやがった。

「異国人か?」

オレの問いにも、意味がわからない。と言った様子だった。
しかも、日本人だと言う割には、藩はなんだか分かってないし、服装も普通だと言って来た。


(道端だから、人の目が痛え…)


ここでぐだぐだ話してても仕方ない。

そう思って、オレはそいつを屯所まで連れて行った。





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あきゅろす。
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