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散雪華〜貴方と共に〜
さらに複雑…〈平助視点〉A

そいつの話しを聞いて、オレはやっちまったと思った。

そいつは、一葉は、未来から来て、帰る方法は分からないと言った。

土方さんが明らかに渋い顔をしたのを見て、すげえ逃げ出したくなった… のに……


「おめえは、面倒を運び込む天才だな。」

「仕方ねえじゃん!異国人だったら手柄だと思ったんだよ!!」

「けどよ。オレらと同じ言葉をしゃべったんだろ?」


う…。そう言われると、何も言い返せねえよ…

「ああ!ああ!オレが悪かったよ!いいじゃん。敵じゃなかったんだから…」

「ほう?よっぽど怒られたいみてえだな?」


「ごめんって!悪かったよ!!」

土方さんを怒らせると、めちゃめちゃ怖えんだよな。

「でも、良いのですか? 彼女をこのまま屯所において。」

「はあ…。よくねえだろ。ただでさえ、金も人も全くと言っていいほど足りちゃいねえんだ。こんな状態で浪士組に女をかくまってる余裕なんてあるわけねえだろ…。」


土方さんの言うとおりだ。


「でもよ。あんなガキを放りだすわけにもいかねえよな。」

「だから、面倒だって言ったんだよ…。 ここまで連れてきちまったんだ。世話してやるしかねえだろ…。」


「まあ、これは平助の落ち度だし?お世話頑張ってね〜。」


げ。オレが面倒みんのかよ。
まあ、連れてきちまったのはオレだしなあ。

「いや。平助だと他の隊士にバレるかも知んねえ。 ここは…、斎藤、すまねえが頼めるか?」

「わかりました。」


「なあ、土方さん? それって、オレだと信用できねえってことか?」

「なんだ平助? お前あの嬢ちゃんの面倒見たかったのか?」


「ちげえよ!だって、なんだよ。オレは他の隊士にバラすって…」

「言葉の通りだと俺は思うが。」

は、一くんまで…


「わーったよ。でも、あいつの袴だけはオレが用意するからな。 そこは、まあ、オレも一葉を連れてきちまった責任みたいのがあるから。」


「んじゃ、そういうことだ。芹沢さんには一応報告だけしておく。これ以上厄介なことにならねえといいんだがな…。」




そのあと、オレは部屋に戻ってから一葉のことを考えていた。

あいつは身長とかから見てもオレより年下のわっぱだ。
女として屯所に置くわけにはいかねえから、袴で男装させるって土方さんが言ってた。

「せめてあいつに剣術が使えればなあ。」

そうすれば、仮でも隊士として置いておくことができる。

その辺は土方さんがなんとかしてくれんだろうけど…。


「オレ、本当に面倒持ち運んじゃったんだなあ。」


でも、そんなの後の祭りだ!

世話を一くんに任せるっていうのが少し複雑だけど、そんなことくよくよ考えてても仕方ねえよな!


とにかく明日は一葉の袴を調達してこなくちゃな。

そんなことを考えながら、オレは眠りについたのだった。



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