散雪華〜貴方と共に〜 沖田さんとの手合わせ 後ろで平助は、ギャーギャー言ってるし、土方さんや近藤さんも止めに入ってくれたけど、私は売られた試合を買っただけ。 「よろしくお願いします!」 まさか新選組の沖田総司と試合が出来るなんて、思ったこともなかった。 て、当たり前か。 幕末にトリップするかもーなんて考えてる方がどうかしてるよね。 「平助には、あんまり本気で撃ってなかったように見えたんだけど、ぼくにはそんなの通用しないよ。」 バレてたか。 実は平助の時は、普段稽古でやっているような基本的な技しか出していなかった。 「見破りましたか…。 じゃあ、今度は型とか気にせず、自己流でいかせてもらいます!」 私と沖田さんの試合は、なかなか決着が付かなかった。 沖田さんの得意技は、三段突き。 そんな情報は剣術をやるものとして常識として知っている。なんて言ったって、憧れだからね。 だったら、もっと早く!! もっと早く攻撃すればいい!! 「すげえな。総司とやりあうなんて。」 「ああ。しかもさっきより攻撃が速え…」 「だが、総司もあのくらいだったらまだ余裕あるだろう?」 もっと集中! よく剣の動き、沖田さんの身体の動きを見るんだ!! 「ほら、そんなに必死に追ってると剣の動きが鈍るよ…!」 く…。 読まれてる。私の考えが… 「はっ…!!」 沖田さんが三段突きを繰り出してきた。 一突き目、二突き目は難なく防ぐ。 だけど…… 「……!!」 ダダダダン! 最後の一突きをもろにくらい、私は道場を軽く吹き飛んだ。 「…げほ……ごほ…」 「一本! 総司の勝ち!」 えー…。最初に言っておきます。 私は剣道の知識はあまりありません! 技の名前くらいは弟が剣道をやっているから知っている程度です。 でも、 突き は命に関わるぐらい危険な技だそうで、今は剣道をやっている人でもかなりトップの方しか使うことは許されていないそうです。 命のやりとりをしていた皆さんは稽古から命掛けだったんですね… そんなところも本当に凄いなとそして、本当に動乱の中を生きておられたのだなあと改めて思い知らせれ、感動しております笑 [*前頁][次頁#] [戻る] |