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散雪華〜貴方と共に〜
宿決定!?
ー翌日

平助は私に袴と着物をくれた。

「昨日言ってただろ? ほら。」

「あ、ありがとう。」

なんだかちょっと照れくさい。



朝食は斎藤さんが運んでくれた。

そして今、私は広間に呼ばれて、こうして衣服まで用意してもらっている。

本当に皆温かい人たち…

でも、甘えちゃいけないんだ。


「あの、本当にありがとうございます! でも…」

言わなきゃ…!

「私、ここでお世話になるわけにはいきません。皆さんに迷惑かけてしまうから。だから…」
「ああ。迷惑だな。」

私の言葉を遮るように土方さんの声がした。

「平助も何たってこんな奴を連れてきたんだって思ったぜ。 俺たちは今、人出も金も底をつくような状況だからな。 だがな、京のことも、今の情勢も知らねえような奴をぽんと外に放り出すほど俺たちゃ鬼じゃねえんだよ。」


言葉はキツイけど、でも、それって…

「だからな、お前は壬生浪士組に置いてやる。 だが、知ってると思うが女としては置けねえ。だから平助にも袴を用意させたんだ。」


そういうことか。だって普通、女は着物だもんね。

「…じゃあ、私、ここにいていいんですか?」

「ああ。だが、剣も使えねえんじゃ、下働きぐらいしかやってもらうことはねえけどな。」


あ。そういえば、言うの忘れてた…

「あの…。私、剣術ならできますよ?」


そう。私は幼い頃から祖父に叩き込まれた剣道がある。
そこらの男の子にだったら負けない自身もあった。戦ったことはないんだけどね。


「そうだよな。女の子だもんな。剣術なんて… って!?できんのかよ!!?」

まじかよ。 そんな風には見えないね。 などなど。たくさんの反応ありがとうございます…。 でも、どれもこんな奴にできんのか?みたいな含みがあるように聞こえるのはきのせいかしら?

「そうともなれば、待遇が変わるかもしれませんね。 まあ、腕を見てからでないと、ですが…。 ちなみに、どのくらいやっていたのですか?」

「6歳の頃には家の竹刀を握っていたと聞いていますから、もう12年になりますね。」

数えてみてびっくり!そんなにやってたんだなあ。

「ふーん。てことは、君、今18歳?」

「はい。そうですけど…」

「18!!?それも驚きだぜ。15ぐらいかと思ってた…」

「永倉さん。身長で人を見ないでください。」

デリカシーのない男性は嫌われますよ。と忠告したはいいんだけど、案の定、デリカシーの意味から説明する羽目になってしまった。


「とにかく本題に戻るとだな。一葉の剣術の腕は見てみる価値がありそうだってことだな。」

「ああ。あとで誰かと立ち合ってみるのもいいだろう。」

近藤さんの許可も出たので、私は着替えたら道場に行く事になった。



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