小説「召喚と召還の結末」 2 時に、狂気が二人を支配する。 だが、バルとリーアには、決定的な違いがあった。 リーアネージュは己の全てを一人の人間へと捧げた女。 戦う事でしか、自らを確認できないバルとは違う。 だからだろうか、バルは、リーアをリーアネージュという女を嫌いになれない。 心が壊れた男と自ら狂気に身を委ねている女。 ただ一人の存在に傅き、仕えている。 されど、何処までも二人は平行線。 例え、愛を請うても、変わる事はない。 血と狂気。 この二つが二人の差なのだろう。 [*前へ][次へ#] [戻る] |