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小説「召喚と召還の結末」
憎しみ
王に呼ばれ、謁見の場に出向いたロックウェルは、この場に呼ばれた理由が分からずに居た。

なのに、いきなり殺気を向けられ、怯えた。



王の警備を担う騎士達すら、その殺気に飲まれ、動けずにいる。



そんな中、ブラックが口を開く。


「王よ。こいつがロックウェルか?」


憎しみに彩られた眼光。


王は、その視線に恐怖を抱きながらも、答える。



「あ、あぁ…そやつが、ロックウェル・アッテンボローだ」


王は何故、ヒュプノスの団長ブラックが宮廷魔導師長のロックウェルを殺気に満ちた目で見るのか疑問に思った。


だが、今の張りつめた空気の中で、それを口にする事は出来ず、成り行きを見守ることにした。









ブラックは、憎しみに満ちた眼差しのままロックウェルへと話しかけた。



「ロックウェル・アッテンボロー。俺は…もう一度、お前に会いたかったぜ」



だが、そう言われた方のロックウェルは、戸惑った。


何故なら、目の前にいる男に会った記憶が、ロックウェルには無い。

いきなり、殺気を向けられ、そんな事を言われても、ただただ混乱する。



だが、次の瞬間、ロックウェルは、息を飲む。





「もう23年も前の話だ。お前は俺に言ったな…お前の様なひ弱な小僧があの方の友人な筈はないと」


「っ…!?」


それは、王を含めて、その場に居るロックウェル以外の者達には、理解できない言葉だった。


しかし、ロックウェルには、古い記憶を揺さぶられる言葉だった。




「そっ、そんな…ま、まさか…」


ロックウェルは、途端に狼狽し、顔色を変える。



「ロックウェル・アッテンボロー。俺は、お前を許さない…」






言い終わると、ブラックは、視線をロックウェルから、王へと向け。



「シィ。お前は、何も知らない。いや、何も、分からないんだな」


と、言葉を投げた。




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