君の終焉を 2 「大好きだ、愛してる。お前が好きだ…お前しかいらないんだ…だから、お願いだから―…」 涙で視界が滲み、握る手に力がこもる。 「…ゅ……ゃ」 「……?」 微かに動く由基の口元に耳を寄せる。 「――――…」 「………っ!」 周りの空気を震わせて奏でられた小さな言葉に、見開いた瞳から涙の雫が零れ落ちた。 ピ――――――…… 「ゆ……き……?」 柔らかい笑顔が、俺を呼ぶ甘い声が、彼の存在が。 愛してやまないその全てが今、 腕の隙間を残酷にもすり抜けて、 終焉の谷へと堕ちていった。 [*back][next#] |