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ハルノヒザシ

「劇はあんな感じでまぁいいだろ。声と分けて正解だったな」
んじゃ今からパンフの写真撮るから、全員並んでー、とリハーサルが終わった後文化祭実行委員がカメラ片手に手を振った。
「前田は前に来い!三好の隣!!」
こっそりとみんなに紛れていた俺は、バレて前に押し出される。
集合写真撮った後は個々人の写真も撮るらしい。 なんかパンフは配るために作るのかと思っていたら一部いくらとかで売るためにがちで作るんだと。
「おっけーみんなカメラ見ろよ!!」
タイマーをセットした文化祭実行委員が真ん中に滑り込んできて、シャッターが落ちる。
あ、俺今目ぇ瞑ったかも。
「前田ーみんなのメイク一応直してー」
「はーい」
どっから持ってきたんだかレフ盤まで用意しているカメラ係りを横目で見つつ、俺は女装陣のメイクをチェックした。
メイク直しが終わって、一人ずつ個人写真を撮っている間、面白いので後ろで見物することにする。
三好以外はけっこうノリのいいメンバーなので、色々ポーズ取ってさくさくと撮影が終わったのだが、無表情で突っ立っていた三好にはカメラ係りから指示がバシバシ飛んでくる。
「三好もっとセクシーに!!」
「流し目くれ流し目!!」
「…こ、こう?」
カメラ係りのむちゃぶりにもどうにか応える健気な三好。
どうにか撮影が終わった後はふらふらしていた。
「つ、疲れた」
「おつかれさん」
へろへろと歩いてきた三好の背中を俺は軽く叩いて労う。
ちなみに俺を含めたその他大勢はひとまとめにされ、適当に一枚撮っただけで終了した。

「撤収!!」
体育館の使用時間ギリギリ。
そそくさと片付けを終え、着替え終わった俺達は、文化祭実行委員の一声でわーっと教室まで駆け戻る。


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