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ハルノヒザシ

「はーつっかれたぁ!!」
会食が終わり部屋に戻ってくるなり、夏が布団にダイブした。
寝転がったまま、ネクタイ、ベルトを外し上着を脱ぐとそこら辺にぽいぽい投げ捨てる。
「あんなくそつまんねーことしにわざわざ来たとか。溜め息出るわ。しかも後十日もいなきゃなんないなんて。俺爆発しそう」
「そう言うなよ。ここは海も近いし、寮と違って色々あるし…ずっとあそこにいるよりは気分転換になるよ。色々散歩しに行こう。一緒に」
夏が投げ捨てた服をハンガーにかけながら、俺は夏を宥める。
「はぁー。兄貴と一緒の部屋で過ごせるとこだけがいいとこかなぁ。こーなったらいっぱい甘えよ。爆発しないように」
「夏がいいこにしてるんならな」
「俺はいーっつもいいこだよ」
そうでしょう!?とふざけながら布団から起き上がった夏が、座ってネクタイを外していた俺に後ろから抱きついてくる。
「夏。離れて着替えの邪魔」
「やぁだ。やだやだ。爆発して飛び散っちゃうよ俺」
「何かわいこぶってんだ馬鹿」
「じゃ俺が脱がせてあげる」
やめろよーともがく俺をがっちり足でホールドし、後ろから手を回して夏が俺のボタンを外していく。
「ちょっと!」
あっという間に上着を剥ぎ取られ、シャツを脱がされ、下に着ていたTシャツ一枚にされてしまう俺。
「やめ…あ!!」
もちろんそのシャツも取られてしまう。
俺を上半身裸にしたところでやっとなつの手が止まった。
じーと黙ったまま俺の背中を見ているのがわかる。
「あれからもう六年たつんだね」
「うん…」
ぎゅっと腕が前に回され俺の身体を抱き締めてくる夏。
「兄貴…ありがとう…」
「うん…」
俺は夏にされるがまま、目を閉じた。


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