ハルノヒザシ 7 「はーつっかれたぁ!!」 会食が終わり部屋に戻ってくるなり、夏が布団にダイブした。 寝転がったまま、ネクタイ、ベルトを外し上着を脱ぐとそこら辺にぽいぽい投げ捨てる。 「あんなくそつまんねーことしにわざわざ来たとか。溜め息出るわ。しかも後十日もいなきゃなんないなんて。俺爆発しそう」 「そう言うなよ。ここは海も近いし、寮と違って色々あるし…ずっとあそこにいるよりは気分転換になるよ。色々散歩しに行こう。一緒に」 夏が投げ捨てた服をハンガーにかけながら、俺は夏を宥める。 「はぁー。兄貴と一緒の部屋で過ごせるとこだけがいいとこかなぁ。こーなったらいっぱい甘えよ。爆発しないように」 「夏がいいこにしてるんならな」 「俺はいーっつもいいこだよ」 そうでしょう!?とふざけながら布団から起き上がった夏が、座ってネクタイを外していた俺に後ろから抱きついてくる。 「夏。離れて着替えの邪魔」 「やぁだ。やだやだ。爆発して飛び散っちゃうよ俺」 「何かわいこぶってんだ馬鹿」 「じゃ俺が脱がせてあげる」 やめろよーともがく俺をがっちり足でホールドし、後ろから手を回して夏が俺のボタンを外していく。 「ちょっと!」 あっという間に上着を剥ぎ取られ、シャツを脱がされ、下に着ていたTシャツ一枚にされてしまう俺。 「やめ…あ!!」 もちろんそのシャツも取られてしまう。 俺を上半身裸にしたところでやっとなつの手が止まった。 じーと黙ったまま俺の背中を見ているのがわかる。 「あれからもう六年たつんだね」 「うん…」 ぎゅっと腕が前に回され俺の身体を抱き締めてくる夏。 「兄貴…ありがとう…」 「うん…」 俺は夏にされるがまま、目を閉じた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |