impatient
6
少しだけ膝を立たせて、少しだけ左右に開く。
きっと拳ひとつ分も開いていないけれど、それだけですごく恥ずかしいのに、陽高様は何も言わない。
無言で続きを急かしているのだ。
「も、許して下さい…。」
これ以上、陽高様に見せ付けるなんて本当に無理で、私は涙ながらに許しを請った。
すると陽高様は嬌笑を見せ、胸の膨らみに舌先を伝わせ出した。
「ひゃ…ぁ…」
口から零れてしまった甘い声とほぼ同時に、下腹部に一本の指が走る。
上下にゆっくりとなぞられ、たまに浅く中に入る。
焦らされていると気付くまでに時間は掛からなかった。
「ふ…、紗奈は本当に可愛い。」
「え…?」
いきなり何かと首を上げると、目に入ってきたのは、もっと奥まで欲しいという願望のままに、いつの間にか大きく広げてしまっていた脚だった。
「あ!!や…っ!」
急に恥辱感に襲われた私は、ばっと脚を閉じてそこを隠した。
「何も恥ずかしがることはない。紗奈が乱れてくれて嬉しいよ。」
「いやぁ…っ。」
「紗奈、そんなに固く閉じていては触れられない。」
ふるふると首を横に振ることしかできない。
もう、気持ち良くなりたいとか、どうでもいいくらい恥ずかしかったの。
無意識に脚を広げるほど淫乱になってしまった自分が恥ずかしくて、次々と溢れる涙を止められない。
「紗奈。泣くことはないんだぞ?」
「やッ…もう、消えたい…。」
「何をそんなに恥じている?紗奈がこんな所を見せるのは俺にだけで、こんなに乱れるのも俺にだけだろう?何も悪くない。もっとも、恥じらう姿も可愛いがな。」
「ふぇ…っ」
「全く…。」
涙を拭うように頬に伸ばされた手が離れていったので、いつまでも泣きじゃくる私に呆れてしまったのかと思った。
しかしその手は、再び私の体を快楽の世界に投げ入れるべく、愛撫を始めたのだった。
「んー…っんん…!」
「声を我慢するな。」
「だって…こんな、恥ずかしい…っ。」
「感じてるのが?俺だってこんな紗奈を見れば興奮する。触ってみるか?」
「け、結構です!」
顔の熱が急激に上がったのがわかる。
だけど…そっか。感じるのは恥ずかしいことじゃない。
今までだって散々、恥ずかしい姿を晒してきているわけだし…。
それに、声を我慢できるほど私は辛抱強くない。
与えられ続ける刺激に素直に反応すれば、陽高様は優しく笑って頬にキスしてくれた。
「紗奈…可愛いよ。」
「あ、ああ…んやぁ…っそれ、ダメ…!」
奥の壁を引っ掻くように混ぜられたら、もう私は意識を正常に保っていられなくなる。
追い打ちをかけるように、隠れた突起を嬲られ、叫ばずにはいられない快感が全身を駆け巡った。
一気に上らされて、体が宙に浮いた気がしたのに、気付けば背中はシーツにぺったり付いていた。
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