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impatient


陽高様が震えているような気がして、そっと、その背中に手を添える。


「ずっと…謝ろうと思っていた。あんな形で抱いてしまって…。怖がらせる事も分かっていたのに。」


ごめん、と再度謝罪の言葉を口にする陽高様。

そんなつもりで言ったわけじゃなかったのに。


「陽高様、抱いて…下さい。」


憂色を漂わせていた陽高様は、突然の申し出に驚いたようで、体と体の間に空間を作った。

そんな陽高様に向かって、心からの微笑みを見せた。


「私、陽高様とひとつになれる瞬間、大好きです。」

「紗奈…。」


言わなければ伝わらないことだってある。

恥ずかしがってないで伝えていれば、陽高様を不安にさせることもなかったかもしれない。


陽高様は、それまで固かった表情を和らげ、頭を包み込むように抱きしめてくれた。


「紗奈は本当に、俺を喜ばせるのが上手いな。」


首筋を吸われる感覚。

ピクンと反応してしまうと、陽高様は暖かく笑った。


「それに、俺を煽るのも上手い。」

「どういう……あっ」


私の質問は、耳を甘噛みする唇に消されてしまった。

陽高様は私の首筋を舌で伝いながら、背中のファスナーを降ろし、肩と腕を抜いていく。

露になったであろうブラジャーのホックも外され、するすると腕から抜かれた。


外気に触れて寒さを感じる肌を両手で抱きしめると、陽高様は唇を離し、布団を掛けてくれた。

そのままベッドから離れると、換気のために開けておいた窓を閉めて戻って来る。

寒がった私のために閉めてくれたのだと、お礼を言おうと口を開いたら、陽高様は悪戯っぽく微笑んだ。


「紗奈の声が外に聞こえてはいけないからな。」

「……!」


多分両方の理由からなのだろうけれど、わざとそっちだけを言う陽高様に、赤い頬を膨らませてみせた。


「陽高様の意地悪…。」

「意地悪?紗奈は皆にいやらしい声を聞かせたかったのか?」

「ち、違います!」

「そうだな。俺も聞かせたくない。」

「きゃ!」


ぱっと掛け布団を捲られ、陽高様の目に裸の上半身を映してしまった。


「もう何度も見ているというのに…いつまで恥じらうつもりだ。」

「恥ずかしいものは恥ずかしいんですっ。」

「そうか。なら、もっと恥ずかしいことをしてやろうか?」

「えっ、きゃ…!ん…あ、ぁあ…」


両足首を掴まれたと思ったら、勢いよく広げられ、下着ごと秘部に押し込まれた。

陽高様の両手は塞がっているから、きっと舌だ。

そんな所に顔があると考えるだけで、体が熱くなる。


「ほら、紗奈。」


腰を撫でる手付きに促されるまま、腰を少し上げて、ワンピースと下着を取り去る事に協力してしまう。


「脚を開いて、紗奈の一番恥ずかしい場所を俺に見せてごらん。」

「む、むり、です…っ」

「無理じゃないだろう?」


私の腰辺りを指先でなぞりながら優しく微笑むから、それ以上頑なに拒否することもできなくて。

やっぱり思うのは、私は陽高様に弱いんだなあという事。

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あきゅろす。
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