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80000 公爵ガイ 修道士ガイ
※酷いパラレルです。性格改変甚だしいです
※ガイ総受け気味
修道士ガイ(小話)と修道士ガイ続き(拍手ログ)を読まれてないと意味不明だと思われます




己の美を誇示する大輪の薔薇よりも、静かにたおやかに咲く白い花を彼は好んだ。



赤を基調とした瀟洒な部屋の中央には、天蓋つきの寝台が置かれている。
肉を打つ音と淫猥な水音と、艷めいたくぐもった声が部屋の空気を震わせている。
「んっ」
短い嬌声をあげた後、濃密な牡のにおいが部屋にたちこめる。
それからわずかの間、部屋は静寂に満ちた。それを打ち破ったのは衣擦れの音である。それに続いたのは寝台を僅かに軋ませて下りる音であった。
その音に続くような気配が、天蓋から降りる薄布の向こうから発せられる。
「よい。お前はそのまま休んでおきなさい」
「いえ、私は、旦那様のお世話を」
かすれた弱々しい声に、男は無言で手を掲げて制する。
男の視線の先には、寝台で上体のみを起こした金色の髪の少年がいる。
身にまとうものは何もない。
少年期ならではのしなやかで薄い身体のほうぼうに、鬱血の跡が散りばめられている。
少年の細い顎を掴み顔を僅かに上向かせると、乾いた口づけを落とす。
「呼ぶまでここにいなさい」
そう命じて、男は浴室に続く扉を開ける。


ファブレ公爵が金色の髪をした少年、ガイを引き取ったのは一年程前である。
領地視察として久々に赴いた地の小さく貧しい教会に、身を寄せていた少年であった。
珍しく同行していた彼の妻が、ミサの最中に倒れたと聞き迎えに出向いた先にガイはいた。
貧相な場所相応のみすぼらしい相貌が並ぶ中、一人だけ毛色の違う少年が不安そうな面持ちで佇んでいた。
退屈しのぎの相手にふさわしい容姿をしていたので、公爵は彼に屋敷にくるように命じた。
屋敷に招き寝室にも向かわずにその場で衣服をはぎ取ると、ガイは驚きに目を見開いたものの何も言わず大人しく身を任せた。
無抵抗の身体を思うさま掌と舌で味わっていた最中、「アアッ」と小さく喘ぐ声をあげた。
公爵が初めて耳にした彼の声であった。
慌てて掌で口を覆いながら「申し訳ございません」と恥ずかしそうに目を伏せる姿は、公爵にとって大変好ましいものであった。
「声を出して構わん」と告げ、再び愛撫を続けると、はじめは弱々しかったその声は、時間をかけていけば甘く濡れた声へと変貌する。
それも公爵は好ましく感じた。反応をかえさぬ相手など人形となんら変わらぬからだ。
愛らしい声をあげる口内を舌で堪能している時に、ぶるりと身体を震わせて公爵の腕にしがみついてくる。
だが次の瞬間、公爵の腕からガイは逃れ、床にぺたりと座り込み胸にかかっていたロザリオを手に何かに祈りを捧げている。
行動の意図がよめず、公爵は不快そうに眉間の皺を深く刻みながら問いかける。何のつもりだ、と。
その答えはあまりに予想外で、公爵は虚を衝かれる。
そこには媚びへつらいなど微塵もなく、ただただ自分を畏れ多い存在としてみているのだ。
触れることすら大罪だと、身を縮こまらせている。
なんとも愚かな、と常ならば侮蔑するところである。興ざめだと追い返していたであろう。
だが、公爵は金糸を撫でると、長く仕える者ですら耳にしたことのない慈愛に満ちた声をかける。
ほうっと安堵の息を吐きながら見上げる蒼い瞳は、あまりにも無垢であった。
ゆえに公爵はその清らかで可憐な肉体と精神を思うさま嬲ることとした。
まだ幼い身体は公爵の手であっけなく絶頂を迎え、その身の奥に剛直を受け入れても、涙を零すものの悲痛な面持ちでじっと耐えてみせた。
一夜の伽ですますつもりが、存外にもガイは公爵の感興を刺激した。
泣きすぎたせいか、瞼が重たげな様子であったので、公爵は「眠っても構わん」と告げると、ことり、と。糸の切れた人形のように首を公爵の腕にあずけて、穏やかな寝息を立て始めた。
その様子に公爵はわずかに口元を笑みに象らせた。


公爵は、新たな名前をガイに与えて、引き取る算段をした。
だがその際に、ガイが己の息子たちと同じ年だと知り、いささかバツの悪い思いを抱いた。
しかし、心優しい彼の妻は、ガイが自分の息子たちより一回りも二回りも小さく細い事に心を痛め、夫の行動に少しも疑問を抱かずに賛同した。
首都に構えている屋敷に連れ帰り、神学以外の教育を施し、衣食住の満ち足りた生活を与えれば、元々人目を引く容姿は一層磨かれた。
貧相な教会の孤児院で育った戦争孤児とは思えぬほどに、品を感じさせるその佇まいは公爵をいたく満足させた。
教育に関しての意識も高く、積極的に本を読み、それだけにとどまらずに屋敷内の雑務もこなしていた。
公爵はガイを扶養する立場にあるが、息子たちとの差別化、何よりも屋敷で働く大勢の使用人の手前、学びの後に遊ばせるのは得策ではないと考えたからだ。


ガイを屋敷に迎え、すこしばかり時が経った頃、彼の妻であるシュザンヌが床に伏せた。
視察に同行したことで病弱な彼女は発熱をした。
そうなれば公爵は寝室を別に移す。うつるときに執事であるラムダスに「この夜の部屋付きはガイにさせろ」と命じた。
心得たように頭を下げたラムダスであったが、ガイにその言葉以上は伝えずにいた。
彼なりの無言の抗議であった。下賎な少年をこれから幾度と無く寝台に上げる事を、誇り高い執事にはいくら主人の命とはいえ承服しかねる事であったのだろう。
シーツの上に放り出され覆いかぶされても、あの時と同じように、穢れない瞳で見上げてくる。
あの街で抱いた時よりも滑らかさを増した肌をさすれば小さく喘ぎ、胸の頂きをなぶれば身体を震わせる。
足の付根を撫であげれば、もどかしそうに腰を揺らす。
自ら慰めた事があるのかと問えば、言葉の意味を把握できずにいたのだろう。きょとんとした瞳で見返す。
芯を持ち始めた性器を握りしめ上下に扱きながら「自らこうした行為をしたことがあるのかと尋ねたのだ」と言葉を重ねれば、あ、あ、と喜悦に満ちた声をあげながら、必死に頭を振る。
栄養不良で幼い身体をしているが、この年齢で自慰すらないとは、と失笑を漏らす。
無垢な身体を悦楽に染めれば、身を仰け反らせて絶頂に震える。
余韻にひくつく身体に、指を差し入れ内部を擦れば、苦痛と快楽が入り混じった声を上げ始める。
潤滑油をまとった無骨な指で内部をかき回すような動きをすれば、細い腰を揺らめかせる。
戯れに空いた手にも油をつけ、小さな胸の飾りに撫で付ける。ぬめる指腹でくりくりと摘んでこねるようにすれば「アッ、アアッ」と嬌声をあげはじめる。
覆いかぶさり耳に熱い息を吹きかけ舌でねぶれば、体の下で大きく痙攣をし、触れてもおらぬ性器から精を吐き出す。
続けざまの絶頂で、余韻に身体を弛緩させ、夢現の面持ちで私を見上げてくる。
その表情は淫蕩に誘うようであった。
硬くなった欲望を窄まりにあてると、じりじりと固く狭い内部を押し開くように腰を進める。
「ンッ―――ッ」
苛烈な痛みに先ほどまでの余韻は吹き飛び、眉根を寄せ必死で耐えようとする姿すら、公爵の欲望を肥大させる。
亀頭を呑み込み、一気に最奥まで沈めると、ガイは、ひ、と小さく呻き背をしならせる。
なじむ暇も与えずに、浅い律動を小さく刻む。
凝りを意図的に擦るような抜き差しに、次第に引き攣る声ではなく、あ、あ、と甘い息を抽送にあわせて口から漏らし始める。
その様子に満足したように、今度は一転し激しく突きあげる。ギリギリまで抜き、一気に根元まで突きあげる。
軽く細い身体が揺さぶられ、切羽詰まった声がひっきりなしに上がり始める。
「あ、ああっ、あ、だ、だん…アアッーッツ」
ぎゅうっときつく締め上げながら、再び触れもしないのに白濁した液をびゅっと吐き出す。
締め付けうねる熱い内部を、絶頂し痙攣するガイをいたわる事なく、激しく抽送する。
終わらない絶頂に、頭をふりながら涙を流す。耳に口を寄せ公爵は囁く。
「気持ちよいか。淫らな身体だ」と。
その言葉は深くガイの中に刻まれた。

後編


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