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小説2 (鬼×神と人のハーフ) 完結
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「お前たちは紫陽に怪我を癒してもらっているはずだ。それなのになぜ、紫陽が倒れているのに誰も何もせず放っておくのだ!」

「紫陽さまは尊いお体。我々がそのお体に触れることは、恐れ多いことでございます」

信也の声は平坦で、感情がまるでない。

「もうよい!覚えておけ、陰陽の頭、いや、信也。お前が紫陽に対してしたことを、後悔させてやる」

主夜は紫陽を抱えたまま、麻の待つ家へ向かって歩き出した。



麻が大急ぎで用意したベッドに紫陽を横たえると、ぼんやりと瞳が開いた。

「大丈夫か。具合はどうだ?」
「気持ち…悪いです」

「今、麻が医者を呼びに行った。他になにか俺にできることはあるか?」

「いえ…お医者様、いりません。寝てれば、治りますから、もう少し、寝ててもいいですか?」

「もちろんだ。ゆっくり休め」

そっと紫陽の髪を撫でると、安心したように笑って瞳を閉じた。

こんなにかわいい紫陽が、どうして倒れても介抱すらしてもらえないような仕打ちを受けなければならないのか。

許されるものならば、陰陽の連中を全て殺してしまいたいくらいだ。

主夜も生まれてすぐに幼稚舎に預けられたが、あそこには甘えたいときに甘えさせてくれる大人がいた。

違う能力を持っているからと言って、誰かを差別したことも、されたこともなかった。

人間というモノは、少しでも自分と違うものを気味悪がったり恐れたり、差別したりするものなのだろうか。

だとしたら、皆、下妖に喰われてしまえばいい。



〜〜〜〜〜〜〜



はあ…。
主夜は紫陽が帰っていった後、玄関先でため息をついた。

紫陽が陰陽本家で倒れてから1ヵ月、主夜のため息は習慣のようになってしまっている。

〈ため息をついているところなど、黎には見せられないな〉

絶対にからかわれる。

陰陽の人間は紫陽に冷たすぎる。

紫陽を自分の目の届かないところへ返したくない。

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あきゅろす。
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