私立緑葉学園1
12
勝つ気満々な大翔にピキッとこめかみがヒキツる。そうは行くかっての。
「……先生こそ、お似合いじゃないですか」
お返しとばかりに、舌なめずりをしながら大翔の頭の天辺から脚の爪の先まで視線を巡らす。スタイルの良い大翔にはお似合いのチャイナ服。こちらもコスプレ衣装としては定番の方だ。深く入ったスリットからは大翔の美脚が大胆に覗く。そのスリットの先を、今日俺が暴いてやる。
「それじゃあエントリーナンバー7番、笹島 響さんからいらっしゃって下さい」
開始時刻になり、昨日とは違う運営係が出場者を呼び出す。俺の順番は二番目、大翔が最後トリの五番目だ。個人部門はチーム部門と違って、パフォーマンスは殆どない。出場者が持つ美しさのみが競われるからだ。だから、直ぐに俺の出番がやってくる。
「大翔」
大翔にだけに聞こえる声で告げる。
「―――勝負だ」
「それでは次の方。河島 伊織さん、お願い致します」
運営係が俺の名を呼ぶ。
俺は大翔を背に、控え室を後にした。
勝負の行方は決勝で
勝者は?
@伊織
A大翔
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