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私立緑葉学園1
伊織攻めパート





Winner:伊織







「痛くしやがったら後でテメエも同じメに遭わせてやるからなっ」

黒髪ロングヘアーのチャイナ美女が俺の下で何か言っている。

「もっとムードのある話をしようぜ」

そんな小言が頭に来ないくらい、今、俺は幸せだったりする。なんせ、あの大翔を俺が押し倒してるのだ。
決勝戦で優勝までも行かないにしても、僅か数票さで大翔を下した俺は、約束通りに男役として大翔との初夜に臨んでいる。なんて充実感だ!

あの大翔を押し倒し、自分の下に組み敷く。何度夢に見たことか。これからその夢で見たことを実現できるのだから、喜びも一入だ。

悔しそうにキッと睨み付けてくる大翔をガン無視し、深い口付けを落とす。舌と舌を絡めながら、濃厚に繋がり合う。右手はチャイナ服のスリットから覗く魅惑の大翔の脚を撫で、左手は服の上から大翔の胸の頂きをなぞる。

「…っ……ンッ…!」

俺の手付きに過敏に反応を返す大翔に味をしめた俺は、脚を撫でる右手をスリットの奥へと進める。スリットの最奥に隠された大翔のソレは、快感に濡れ、既に緩く勃ち上がっていた。

「何、これだけで感じたんだ?」

「っ…黙、れ」

口付けと僅かな愛撫だけで感じてしまったことに屈辱を感じているのか、大翔は顔を真っ赤に染めながら俺を睨んでくる。その様がカワイいなんて言っちまったら、大翔の奴、暴れ狂うだろうな。

「大翔」

再び大翔の口を塞ぐ。さっきよりももっと深く、長く繋がり合う。一方右手は大翔の下着の中へと侵入し、直接ソレを手中に収める。直にソレに触れた瞬間、大翔の腰が大きく揺れた。

唇を離すと、透明な唾液が俺たちの間を結んだ。大翔の俺を睨む視線に、確実に怒りだけではない、別のものが混ざっていた。
俺の愛撫に、大翔が感じている。
その事実に気を良くした俺は、大翔のアソコを包む手の動きを激しくする。そんな俺の手の動きに呼応するように、大翔の口からは次第に甘い息が零れ始める。

「…ぃ…おりっ……」

俺の背中に回された大翔の腕の力が強くなる。そんな大翔の様子に、限界が近いことを知った。俺は更なる刺激をと、ぷくりと自己主張した大翔の胸の蕾を服の上から甘噛みした。

「――――っ!」

それが契機として、大翔の欲望が俺の手の中で弾けた。射精の余韻に、大翔の表情が恍惚に染まる。俺はこれ幸いと、その間に精液で濡れた右手を、最奥へと伸ばす。

今まで一度も使われたことのないソコは、慎み深く口を固く閉じていた。俺は傷付けないよう入念に閉ざされたソコをマッサージしていく。
流石にソコに触れられれば、大翔も正気を取り戻し、屈辱と羞恥に満ちた顔で俺を睨み付けてくる。暴れ出さないのは、勝負に負けた者としての責務を全うするという大翔の気高いプライドからだろう。

そんな孤高なまでに気高い大翔だからこそ、俺は好きになったのだ。







愛撫により入り口が柔らかくなったのを見計らって、俺は指を一本、中へと挿入した。指という細いものであっても、挿入は困難を極め、侵入を排除しようとしてくる。その抵抗を押し切り、内部へと侵入すると、温かい体温が指を包み込んだ。

軽く指を動かすだけで、大翔の口から呻き声が零れる。やはりキツいのだろう。俺はマッサージよりも長い時間を掛けて、大翔の身体が異物を受け入れるのを待った。

指を動かしても大翔が呻き声を挙げなくなると、俺は指を更に一本挿入する。そしてまた大翔の身体が馴染むのを待つ。馴染んできたら、また一本と挿入する指を増やす。
合計三本の指が大翔の身体に収まると、今まで貞淑までに閉じられていた入り口が大きく開き、縁を赤く染めた。

大翔の口から甘い吐息が零れるようになるのを見計らって、俺は全ての指を中から引き抜いた。物欲しそうに口をパクパクさせるソコは、まさに誘っているようで。俺は自分の一物を取り出し、ソコへとあてがった。その瞬間、大翔の身体にビクッと緊張が走る。

「……大翔…」

大翔を正面から見つめる。
俺を迎え入れるよう開かれた脚。
俺の愛撫によって、立った二つの胸の頂き。
様々な感情を孕んで俺を真っ直ぐ見つめてくる、その瞳。

その全てが愛おしいと思った。

「大翔」

もう一度大翔の名前を呼ぶ。
それと同時に大翔の中へ、俺の一物を押し進めた。ゆっくり、ゆっくりと大翔を傷付けないよう、優しく挿入する。
全てを挿入し終わった頃には、俺の額には汗が浮かんでいた。

大翔の中は熱くて、絡みついてくるようだった。気を抜けば、直ぐにでもイってしまいそうだ。

「大翔、」

俺を受け入れてくれた大翔が、今までよりも一層愛おしく思える。好きだ。本当に。これからもずっと、大翔のこと好きだ。
大翔への想いがどんどん胸の中で大きくなっていく。

「愛してるぜ、大翔」

想いを言葉に大翔に告げ、俺は大翔に口付けを落とした。








全てが済んだ後、大翔が小さく、俺も、と呟いたのを俺は確かに耳で聞いた。













おわり





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――――――――――――――
あとがき

初?のマルチエンディング(二つだけですが……)を採用してみました。
当初は通常通り一つのエンディングしか用意してなかったのですが、書いている内にもう一つ別のエンディングを用意することにしました。
ちなみにもう一つ別のエンディングと言うのが、この伊織勝利ルートだったりします。
主人公が攻め視点というのも久し振りで、何だか新鮮に感じました。







20120417








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