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軋む歯車【ダンウォ・ヒカハル前提オリキャラ視点】
ヒカルが失明した。


ヒカル自身、何が起きたか全くわからないまま現実を受け止めてしまったのだろう。


最近、変わったことが1つある。


ハルキがヒカルの世話を焼かなくなったのだ。


ヒカルが大変なことになっていても「そうか」としか反応しない。


『お前達でなんとかしろ』と言っているようなものだった。



いつもいつも何かとヒカル達の世話を焼き、『お母さん』と呼ばれるほどのおせっかいなあのハルキからの変わり様といったら、驚くことこの上ない。


そんなハルキが突然私を呼んだのだ。


「どうしたの?急に呼び出すなんてハルキらしくないじゃない」


「…………」


「…ハルキ?」


がしっ


「……!?」


「……お前は悔しいとは思わないのか」


「……は?」
いきなり何を言い出すんだろうか。


「大切な戦力を失っても何も思わないのか!!」


私は理解した。


ハルキが世話を焼かなくなったのは、自己嫌悪に陥ったからだった。


「自分がヒカルの変化に気付けなかったから」という無駄な自己嫌悪である。


「…確かに辛いよ、ヒカルがウォータイムに出られなくなったのは」


「でも起きたことは事実だ。諦めて受け止めよう」


「それに、訳も分からず困惑しているヒカルに私達が責める権利なんてない」


「…………」


「……それよりもハルキにとってヒカルは恋人なんだろ?だったら自己嫌悪や自分の仕事にとらわれず、ヒカルに世話を焼くくらいしないのか?」


「ヒカルだって失明していてもハルキのこと待ってるはずさ」


「………!」


「…だから…って」


「……まあいいか」


その言葉に反応したかのように走るハルキをそのまま見ていたが、


「………ごめん」


私は謝るしかなかった。






軋む歯車

もう貴方達を応援できない。







軋む歯車
title:闇のお題30
配布元:月とサカナ
http://snao.sakura.ne.jp/odai.htm

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