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鬼灯の冷徹 補佐官のサポーター
地獄大不思議発見

「…肥料を変えるべきか餌を変えるべきか。」
「本当に悩み所ですよね。」

 鬼灯様とボクは金魚を生やした草の畑見て悩んでいた。この草は地獄で品種改良された金魚草という物で年々愛好者も増えて、今では大会を募る程の人気ぶりである。ちなみにボクも愛好者の1人で、去年の大会の第3位に入賞したりしている

「そういえば、云鬼さんは食事は済ませましたか?」
「いえ。まだです。休憩時間ぐらいしか金魚草の世話をする暇がなくてついついそっちを優先しちゃいます。」
「私もです。良ければご一緒しませんか?」

 その誘いにボク達は食堂に向かった。



「おや? 鬼灯君に云鬼君? 君達も食事?」

 現世のテレビを見ていたボク達に閻魔大王様が声をかけてきた。

「失礼するよ? コレ現世の番組?」
「ええ。ボクも鬼灯様も動物は大好きですので。」
「…めっちゃ抱っこしたい…。」

 イスに座りながら問いかける閻魔大王様にそう返した時、ウトウトとうたた寝しているコアラを見て鬼灯様はそう漏らしていた。

「よくわかります。可愛いですからね。」
「ってそっち! タスマニアデビルをてなづける方じゃないの!」
『失礼な!! タスマニアデビルも捨てがたいけど、どちらかというとワラビーやカンガルーとお話をしてみたい側です!!』

「意外に可愛らしい趣味をしてるんだね。それはさておいて、こういうのを見ると旅行したくなるよね? それで、エアーズロックに旗を立てたりしてさ。」

 その言葉にボクの返答は閻魔大王様の鳩尾に拳を突き刺すことだった。

「なんという酷い事を!! エアーズロックは地球のおへそ! 突っついて地球の具合が悪くなったらどう責任をとるつもりですか!!」
「良いですか!! もっと地球をいたわるように優しくしなさい!!」
「き、君達はもっと上司をいたわろうよ?」

 金棒でグリグリやられながらも閻魔大王様はそうもらしていた。

「エアーズロックに旗を立てるのはともかくも、ここ千年ぐらい忙しくて仕事以外で旅行に行きたいね。」
「…ボクも旅行に行きたいですがたまった休みがなかなか取れないですし、一々計画立てるのが面倒ですよ。」
「そうだねえ。旅行の計画立てる時、奥さん任せにしちゃうのもわかるよね。
まあ、いつかねって事に…?」

 そう言いかけた閻魔大王様が停止する。はて?何かおかしな事でもあったのだろうか?と視線をテレビに戻したら番組が終わりそうな所で、一週間のオーストラリアの旅行に御招待が当たった人の名前が発表されていた。その中に
地獄 鬼灯
地獄 元鬼
とボク達の名前があった。
『大王! 有給貰います!』
「クリスタルのひ○し君2個目でしょ!! 1個頂戴!」
『イヤです! 自分で当ててください!』
「じゃあ、儂も連れてけよ!」
『イヤです! 我々3人が居なくなったら誰が亡者を裁くのですか!』
「いいじゃん! 裁判官は10人もいるんだし、儂1人がちょっとの間居なくても!」

 ボク達しかいない食堂に極めて低次元な争いが勃発していた。

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あきゅろす。
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