小説 フェアリー隊 2 ふと、陵はと言うと何やら通信端末を操作して居るようだ。 しばらくすると、ノイズが大きくなったかと思うと、良く知った声が無線越しに聞こえてきた。 『聞こえているか?』 「ノンさん!」 真っ先に反応したのはアリシアだった。 「っよ、バッチリだぜ」 しばらくすると画像も映し出された。 『なにやら揉めているそうじゃないか』 「なに、大したことはないさ。」 「戦力を今まで通り分散させるか、ヴァンシーに集結させておくべきかで議論になっているのです。」 伊波の言葉に加賀が被せる。 『成る程な…首都の被害状況は?』 「襲撃直後に避難命令が出され、死者は居ません。避難時に怪我をした方々はいらっしゃるようですが…」 報告書を片手にルキが述べる。 『襲撃は受けたが爆撃は阻止したのだろ?上出来だ』 「そっちはどうなんだ?」 『似たようなもんだな。基地にも被害が出ていないが警戒ラインを戦時中と同じ水準まで引き上げられたせいでスクランブル、あわや戦闘になるところだったよ』 フレイの問いかけに答えた優友は笑っているが、とても笑える話ではなかった。 『さて、今後の方針についてだったな。 ダリスでの開発は既に済み、ワイバーンによる先行哨戒も出来ない現状。 よって、フェアリー各隊はヴァンシーを基点に哨戒任務とする。』 [*前へ][次へ#] [戻る] |