小説 フェアリー隊
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一方、フェアリー隊の面々は首都防衛を期にヴァンシーに集結、これからの動きについてをブリッジで話し合っていた。
「現在の状況で戦力を分散させるのはあまりよくないのじゃないか?」
「だが、俺たちしかいないエリアしか守れないんじゃ意味がないとも思うが。」
「しかし、何かあったときに今回のように援軍の期待は出来にくくなるぞ?」
「それでもそこにある戦力で対処しきるべきじゃないか?」
話しているのは副司令の加賀、クロノスのフレイ、アドラーのリョウスケ、アヴェンジャーの伊波だ。
どうやら分散型と集結型で意見が別れているようだ。
「今回のような大規模侵攻がないとも言い切れない以上、守りは固めておくべきと思いますが…」
シルフの江口は集結型のようだ。
これで三対二。多数決で言うならば集結型となるのだが…
「戦力を分断してしまうよりは集中して運用すべきだろ」
「戦力の誇示で被害が抑止できるのであればそれもありかもだろう。だが、そうじゃないだろ?」
加賀の意見にフレイが反対意見を唱え、同意を求める。
「でも実際、首都防衛のときフェアリーの増援がなければ危なかった。」
「他の部隊との連携が取れていなかったのもあるだろ?独立部隊には現場の指揮権限が与えられている。画面のデータではなく実際に見て、感じ取り各自の判断で指揮することができたはずだ。」
同意を求めたはずが、先の首都防衛の戦闘を例に集結しておくべきと唱えるリョウスケに現場レベルの指揮をもっと上手く活用すべきと反論する伊波。
話は堂々巡りを繰り返しているようだ。
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