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小説
マリオブラザーズ「無」第1章PageB
ついさっき、マリオが家に帰ってきた10分後に一人の客人がやってきた。その客人は見るからに変で、マリオはそれに気付いていた。気付いていたのだが、防げなかった。なぜならその客人は、マリオが愛しているピーチ姫だったのだ。初めに気付いた点は服装だった。この嫌になるほど暑い日になんと黒いマントを羽織ってきたのだ。
「ピーチ姫?暑くないか?脱いだ方が良いんじゃないか?つーか見てる方が暑いんだけど…
「うん…ちょっとね。訳ありなの。ごめんなさいね」次に気付いた点は、彼女の表情がぎこちない。それだけではない。声のトーンも僅かに違う。
「顔色悪いぞ?大丈夫か?なんなら部屋貸すけど」「大丈夫よ。心配性ね、マリオは」
「なっっそ、そんなこと…ない…わけじゃないけど…」
「けど?」
「そ、それより…何しに来たんだ?」
「えぇ…。貴方に会いに来たの。なんだか…不安でいっぱいで、私の大切な人がいなくなってしまうような…そんな気がしたの…」ピーチ姫はそう言うと立ち上がり、マリオの近くヘ行く。
「そろそろ帰るわね、ごめんなさい。思い違いだったのかも…」
そして、ピーチ姫はマリオのほっぺに別れのキスをした。その時だった。

マリオが「無」の毒に侵されたのは。

「フフフ。まんまとかかったわね。マリオ。これで貴方も『無』の仲間…」
「ピー…チ姫…」
そしてピーチ姫は帰っていった。「無」という厄介な土産を置いて…。

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